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ラスベガス

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「真理は、あなたたちを自由にする」

by イエス・キリスト

(ヨハネによる福音書8章31-32節)




最近書いた、世界情勢や陰謀の話が、大反響ですね~!

先日、久しぶりに、アクセス解析を見て、ビックリしました。

1日のブログのアクセスが、4万2千を超えていたのです!

今までの新記録です。



やはり、たくさんの人が、「真理」や「真実」を知りたいと渇望しているのが、今なんだと思います。

冒頭に書いたように、「地球」という監獄のような惑星は、物事の本当のことを、知れば知るほど、精神的に自由になるのです。

私は経験から、そう確信しています。

「真理」がわかるほど、心が、どんどん楽になります。


だから、たくさんの真実を知り、目覚める人が増えることが、地球が素晴らしい惑星になることだと、信じています。




今回の話は、国際情勢や陰謀の話ではありませんが、これも、「世の中の裏側」という意味では、知っておいたほうがいい話だと思い、再掲載することにしました。



ご存知のように、1997年~2002年まで、私は、ロサンゼルスに住んでいました。

その時期も、いろいろな体験をしました。

好奇心旺盛なので、面白そうなところへは出かけて行き、直接、自分で体験するという姿勢で、面白い人と出会ったり、ワクワクすることや楽しいことを、たくさんやりました。


この時期に、夢中になって通った場所が、「ラスベガス」でした。



1997年に、いろいろな奇跡が重なり、渡米することもできたし、ロスの高級住宅街で、プール付きの豪邸に、住むという贅沢な生活も、実現することができました。

金銭的にも、不自由しない環境だったのですが、時間もたっぷりあり、人間関係にも恵まれ、大好きな筋トレも、思う存分できるという、自分の生涯で、最高に恵まれた時間を、過ごすことができました。

人間って、一生の間に、1回くらいは、こういう王様のような生活をする時期が、あってもいいと思います。

一度やっておくと、意外なことに、物欲がなくなります。

物質的な成功というものを、体験することで、そういう執着が、なくなることが、多いみたいなのです。



ただ、自分が体験して、わかったのですが、こういう生活は、すぐに飽きるし、思ったほど楽しいものではないことが、わかりました。

最初の3ヶ月は、最高の気分なのですが、半年くらいから、だんだん他の生活を、やりたくなってくるのです。

「幸せすぎて、苦しい…」

という苦しみが、襲ってくることも、あるということです。


これは、体験したことがある人は、極端に少ないと思うので、なかなかわかってもらえないみたいなのですが、人間には、こういう苦しみもあるみたいなのです。


あまりにも、満たされているので、

「ああ… 幸せすぎるな… 嫌な体験って、どういう感じだったのかな? もう、ずいぶん、不愉快な体験って、やっていないな… そろそろ苦しい仕事、また、やってみようかな? 嫌な奴に、会ってみたくなったな… そういえば、病気の苦しみも、あまりやっていないな…」

こういう悩みと苦しみが、でてきたのです。


億万長者が、ある日突然、自殺したりするのは、この苦しみが多いのかもしれません。

この苦しみは、オマケがあって、普通の生活を、やっている人たちに、悩みを打ち明けると、全員から、

「ふざけるな! 何を贅沢なこと、言っているんだ!」

と、怒られるということです。

誰に話しても、理解してもらえないし、話せば話すほど嫌われるという、じつは、けっこう苦しい状態なのです。


そういうとき、私のキネシオロジーの師匠で、カイロプラクターの本間先生に、この悩みを喫茶店で打ち明けると、

「うん。わかるよ… 私も、若い頃、君と同じ苦しみを体験したことがあるよ。それって、本当に苦しいよね…」

と、共感してくれたのでした。

「自分の苦しみが、わかってくれる人がいたんだー! 本間先生って、なんて、奥の深い人生を、生きてきた人なんだろう」

こう思って感動しました。

人間の悩みや苦しみというのは、共感したり、同情してくれる人が、たった一人いるだけで、これほど、楽になるということを、その時、改めて、わかりました。



ちょうど、その頃は、いろいろなことを、ある程度やり終えた頃でもあり、心に、ポッカリ穴があいたようなかんじに、なっていました。

その頃に、

「そうだ! ラスベガスで、ギャンブルというものを、やってみよう!」

こう思って、ラスベガスに行ったのです。

すぐに、街の魅力とギャンブルの面白さに、はまりました。


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ラスベガスという街のはじまりは、アメリカの西海岸あたりで、「ゴールドラッシュ」と呼ばれた現象が、起こったのが、始まりだったそうです。


ゴールドが、たくさんとれるという噂が広がり、アメリカ中の野望をもった男たちが、カリフォルニア州あたりに集まり、金の採掘を始めた時期が、あったようなのです。

余談ですが、実際に、金を掘り当てて、大金を稼いだ男たちも、いたようなのですが、本当に、儲け人は、金を掘り当てた人ではなく、採掘者たちに、ツルハシやシャベルを、売っていた人たちみたいです。

ジーンズを販売した人も、儲かったようです。


このように、いつの時代でも、本当にお金が儲かるのは、目に見えて、儲かっていそうな業種ではなく、その周辺あたりが、多いみたいです。

日本でも、バブルが、はじける前の不動産ブームの時に、本当に儲かっていたのは、不動産業者ではなくて、引越し屋さんだったそうです。

たくさん建物が建った後、そのオフィスや住居に、家具を運ぶ仕事が、一番儲かっていたそうです。

こうやって、本当に儲かっている人たちは、黙っています。

あまり儲かっているということを、声高に叫んでいると、ビジネスチャンスを、盗られる危険性が、あるからです。




さて、ラスベガスの話に戻ります。


ラスベガスという街は、このゴールドラッシュで、一攫千金を、果たした成金の男たちの社交場として、始まったという説が、有力みたいです。


大金持ちになった男たちが、次に狙うのは、やはり美女です。

しかも、生涯の伴侶となるような女性です。

そして、できれば、お金の力で、落とせないような大金持ちの令嬢が、奥さんに欲しいと思ったようです。

ただ、大金持ちの令嬢たちは、父親も金を持っているので、お金欲しさに結婚することは、ありません。


そこで、成金の男たちが、何をやったかというと、それが、「ギャンブル」なのです。

勝つために、やるのではありません。

負けるために、やるのです。



たとえば、現在の日本円にして、100億円持っているような男が、一晩で100万円、ギャンブルで勝っても、面白くもなんともありません。

本人も感動しないし、周囲の人たちも、

「金持ちが、これ以上金稼いで、どうするんだ?」

というかんじで、冷めた目で見るでしょう。


具体的には、成金たちは、金持ちの令嬢たちが、集まるようなギャンブル場に行って、大金を賭けます。

そして、ボロボロに負けるのです。

なるべく、一度にたくさんのお金を、とられるような負け方をします。


その時の、負けた時の顔の表情を、令嬢たちは見ているのです。

このときに、たとえば、1000万円くらい負けて、

「チクショー!!」

などと叫んで取り乱したら、男を下げるのです。


1000万円くらい、一度に負けた後に、ポーカーフェイスで、

「今夜も、楽しませてもらったぜ。ほれっ、チップだ」

こう言い残して、さらに、500万円くらいの札束を、バサッと置いていうことで、令嬢たちに、男っぷりを、アピールしたのだそうです。

「カッコイイー!」

と、令嬢たちが、思ったかどうかは、わかりませんが、成金の男たちは、これをやることによって、

「俺は、お金だけの男じゃないんだぜ。俺は、そこらへんの成金どもとは、違うんだぜ! オイ、こんな俺に、惚れるんじゃないぜ!」

と、言いたかったようなのです。


ちなみに、英語の「ダンディー」という単語は、この時期に、できたという話を、聞いたことがあります。

世界一、お金に執着している人たちが、集まりそうな街の歴史が、

「世の中は、お金が全てではない」

と、言いたい男たちから、スタートしているというのが、面白いですね。(笑)




次に、「ギャンブル」そのものについて、書いてみます。


ラスベガスのように、ギャンブルで、できた街もありますが、世界中のありと、あらゆる場所で、ギャンブルや博打などの賭け事は、昔から楽しまれています。

娯楽として、楽しんでいる人もいれば、これで、人生がダメになり、自殺してしまう人もいます。


アメリカでは、「ギャンブル」という産業は、「麻薬産業」に、分類されているようです。

つまり、外から、違法のドラッグなどを、服用したりはしませんが、ギャンブルで、勝った時に、脳内麻薬が、分泌されることから、「麻薬産業」だという位置づけに、なっているそうなのです。


そのメカニズムは、単純なのですが、

たとえば、パチンコで、最初の台で、たまたま10万円が当たって、玉がジャラジャラと出たとします。

このときに、ある種の脳内麻薬が、ドバーッと放出されるそうなのですが、怖いのはその後です。


この脳内麻薬は、次に出るのは、10万円以上からになるみたいなのです。

9万9千999円までは、この麻薬は、出ないのだそうです。

だから、一度、この麻薬が出た人は、次に、10万円以上が出るまで、パチンコ店に通い続けることになるようなのです。


でも、10万円以上なんて、そんなに簡単には出ないので、それ以降は、どんどんお店にお金を、とられ続けるということに、なりやすいのです。

パチンコ店は、こういうことを、よく知っているみたいです。


だから、開店の時は、大盤振る舞いで、バンバン玉を出し、あとから、ずーっと搾り取るということをやるのです。

これは、パチンコ以外でも、競馬や宝くじなどにも、いえるのかもしれません。

さらに、タバコやお酒、もしかしたら、恋愛などにも部分的には、当てはまるのかもしれません。

快感というものは、人間にとって、ほどほどであれば、快適だけど、度が過ぎると、危険であるということです。




1998年の元旦に、日本から来ていた弟と、初めて、ラスベガスに行きました。


いろいろなホテルをまわったのですが、「MGM」のカジノ場の超巨大な空間には、大感動しました。

「うわー!!」

と二人で叫んでから、あまりのスケールの巨大さに、その場で、立ちすくんでしましました。


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その時から、ギャンブルの魅力に、とりつかれたのですが、特に、大好きだったのが、「ブラック・ジャック」でした。

この単純なカードゲームの虜になりました。


なんでも、やるときは、徹底的にやらなくては、気がすまない性分なので、ラスベガスの街の構造やギャンブルの仕組み、さらに、ブラック・ジャックのルールから、攻略法、確率学、心理学的な駆け引きまで、かなり本気で勉強しました。


生きた勉強でした。

「お金とは、なにか?」

「資本主義とは、なにか?」

「能力とは、なにか?」

「運とは、なにか?」

こういうことが、かなり深く理解できました。



まず、ラスベガスの街で、気がついたのは、

「特別な経済特区でもある」

ということです。

税金などの制度も、他の州や街とは、違うみたいのですが、一番驚いたのは、「クレジットカード」でした。

なんと、ラスベガスの街の中では、クレジットカードでキャッシングをすると、上限金額がなくなるのです。

知り合いから、教えてもらったのですが、ためしに、上限額が、日本円で、10万円のカードで、30万円くらいの現金を引き出したら、本当に出てきたのです。

「こわ~い!」

と、思いました。

聞く所によると、パスポートだけでも、カジノ側は、いくらでも、お金を貸してくれるみたいです。

だから、ここで、人生をダメにしてしまう人が多いのですね。


また、これも噂ですが、ラスベガスの特別条例みたいなものが、たくさんあり、ホテルの窓が、数十センチしか、開きません。

これは、表向きは、自殺の予防ということになっているのですが、一昔前は、大金を儲けた客を、自殺に見せかけて殺すホテルが、あったために、政府が、こういう窓にしたのだそうです。

日本でも、「カジノ構想」が、たびたび話題になりますが、こういうことを考えた上で、判断したほうが、いいと思います。



基本的に、ラスベガスの街は、ギャンブル自体は、イカサマは、ほとんどないみたいです。

これが、裏カジノなどであれば、逆に、ほとんどイカサマみたいです。


以前、東京で、裏カジノのディーラーをやっていた人から、直接聞いたのですが、彼らは、耳の中に、超小型で、高性能のイヤホンを埋め込まれていて、お店から、いろいろ指示されながら、お客さんを、イカサマではめて、全財産を奪い取るそうです。

まあ、このブログ記事を読んでいる人の中には、こういう裏カジノに行く人は、いないと思いますが、一応書いておきます。



ラスベガスのカジノ場には、天井に、たくさんの「アイ・イン・ザ・スカイ」と呼ばれている監視カメラが、据付られているのですが、ここで、監視しているのは、元イカサマ師たちだそうです。

下手なイカサマをやれば、見破られ、厳重注意されてから、場合によっては、街への立ち入りが、禁止されることもあるそうです。

ブラックリストに、載ってしまうのだそうです。


ただ、上手いイカサマをやると、元イカサマ師の監視員たちから、

「俺たちと、一緒に仕事しないか? こちらのほうが、儲かるぜ!」

と、スカウトされるのだそうです。

面白いですね。



また、ラスベガスの場合、街の中に、ネバタ州立大学があるのですが、この大学に、ギャンブルを教える学科が、あるみたいで、カジノ場には、この大学の学生たちも、アルバイトで勤務していることなども知りました。

彼らは、特殊な訓練を受けるらしく、たとえば、ブラック・ジャックなどのカードゲームをする時、出たカードを、ぜんぶ記憶しているのだそうです。

さらに、それの記憶から、次の場面で、ブラック・ジャックが並ぶ確率を、瞬時に計算できるのだそうです。

噂によれば、プロだと、小数点第二位まで、その確率を、だすそうです。

「次のカードを開く時、ブラック・ジャックが並ぶ確率は、34.73%だ」

というかんじらしいです。

まるで、コンピューターと、勝負しているようなかんじなんですね。

彼らは、それ以外にも、さまざまな心理戦を知っていて、かなり本気でやらないと、勝てないように、なっているみたいです。





さて、そのラスベガスですが、ある時期は、週に3回くらい行っていました。

ぜんぶあわせると、25回くらい行きました。

これくらい通うと、いろいろなことが、わかってきます。


ストリップ通りというメインストリートが、あるのですが、ここは、有名な観光地ですが、たくさんの無料のアトラクションを、やっています。

なぜ、ここで、やっているのかというと、詳しいことは省きますが、お客さんの側が、ギャンブルで勝つのが、難しい仕組みに、なっているからです。


繰り返しますが、イカサマはやっていないのですが、マシンの構造や街の構造自体が、お客さんの側が負けやすいように、なっているみたいです。

だから、負けた後も、

「損をした! チクショー、もう二度と来るもんか!」

と、思わせないように、金銭的も負けても、無料のアトラクションやショー、美味しい料理なので埋めあわせて、満足して帰ってもらい、また次回も来てもらうために、様々なサービスを提供しているのです。


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ギャンブルそのものを、楽しむのであれば、ちょっとメインストリートから離れた、ダウンタウンで、プレイするのが、オススメです。

現在は、どうなのかわかりませんが、当時は、ダウンタウンにある、「ラスベガスクラブ」という名前のホテルが、

「世界一、ブラック・ジャックで、お客さんが勝てるカジノ場」

だと、言われていました。

行ってみると、本当にそうでした。

ここは、古き良き時代のラスベガスのギャンブルが、残っていました。



ラスベガスで、ギャンブルする場合には、

「どこのホテルで、プレイするのか?」

で、ある程度、決まってしまうということまで、わかりました。


また、本気でやって、運がよければ、日本円で、10万円くらいまでは、勝たしてくれるシステムに、なっていることも、わかりました。

交通費と滞在費が、ペイできるくらいの金額は、たまに勝てるみたいです。

リピーターにするためです。

ただ、それ以上欲を持つと、巻き上げれれる仕組みに、なっているみたいです。




ロスからラスベガスまでは、車やバスなどで、よく通いました。

たまに、飛行機でも行きましたが、空港で飛行機から降りたら、目の前に、いきなりスロットマシンがあるのには、笑ってしまいました。


最初の頃は、いろいろなホテルで、やっていたのですが、後からは、前述の「ラスベガスクラブ」という場所だけで、勝負していました。

ここまで来ると、もうマニアですね。

だいたい12時間くらいぶっ通しで、一晩中プレイしていました。


ラスベガスのホテルは、寝室は、普通のエアコンなのですが、カジノ場のエアコンからは、酸素が出ていて、元気になるように、なっているみたいです。

部屋に帰ると、グッタリするのですが、カジノ場では元気になります。

だから、自然に、お客さんは無意識のうちに、頻繁にカジノ場に通うようになるみたいです。


さらに、ホテルによっては、照明で、人工の昼と夜を演出して、時間の感覚を、麻痺させるようにしています。

人が、歩く導線にも、様々な工夫がされていて、街全体が、ギャンブルのための大仕掛けに、なっているのです。



毎回、1万円~5万円しか賭けないので、金銭的な損失は、あまりありませんでした。

勝つことが、目的ではなく、雰囲気を楽しみにたくて、行っていたからです。


さらに、いろいろな仕組みを、知りたいというのが、一番の目的でした。


ただ、いろいろ調べているうちに、どうしても、わからないことが、出てきました。

他のホテルは、ともかくとして、この「ラスベガスクラブ」というカジノ場では、「ブラック・ジャック」というゲームに限っては、確率的に、お客の側が有利なはずだったのです。

数学の考え方だと、確率的に有利であれば、少ない金額を、チビチビ賭けていれば、長時間やれば、最終的には勝てることが、多いはずなのです。

それでも、実際には、だいたい、毎回負けて、最後は、帰りの交通費だけを持って、逃げ帰るようなことが、多かったのです。

「理論的には、勝てるはずなんだけどな… どうして勝たないんだろう?」

と、いつも考えていました。


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そんなある日のこと、ロスのリトル東京で、ある本を手に取りました。


タイトルは、忘れましたが、ジャーナリストの落合信彦さんの本でした。

だいたい、こういう話だったと思います。


落合氏が、若い頃、やはり、ラスベガスに、はまった時期が、あったそうです。

ある日、勝ちまくって、チップを、山のように積んでいたら、隣に座っていた、おじいさんが、

「おい、若いの、そろそろ、このあたりで、やめておけ。オマエは、あと4回くらいは勝てるが、5回目くらいからか負け始めて、最後には、スッカラカンになるぞ!」

と、忠告してきたのだそうです。


落合氏は、若かったので、強気で、

「このじいさん、何言っているんだ? 俺は、今夜は、ツキまくっているんだ。この俺が、負けるわけないだろう」

こう思い、その忠告を無視して、ゲームを続けたそうです。


すると、不思議なことに、その後、本当に、5回目くらいから負け始め、最後には、スッカラカンに、なったそうです。

ビックリして、ディーラーの人に、

「あのじいさんは、何者だ?」

と、尋ねると、

「あんた、あのじいさんを、知らないのか? あの人は、ラスベガスの伝説といわれた、ラスベガス最強のギャンブラーだぞ」

と、教えてもらったのだそうです。


落合氏は、急いで、そのじいさんを追いかけて、探し出したそうです。


それから、そのじいさんに、

「どうして、俺が、負けることが、あんなに、正確に、わかったんだ? どういう運の読み方を、しているんだ? よかったら、後学のために、教えてくれないか?」

と、頭を下げて、訊いたそうです。

すると、そのじいさんの答は、意外な答だったそうです。

「オマエが、どんなに強くても、20人と喧嘩したら、勝てないだろう?」

落合氏は、これを聞いて、ビックリしたそうです。


そうなのです。

そのじいさんは、「運」の流れなど、見ていなかったのです!

「脳内疲労」

ここに、着目していたのです!

つまり、落合氏は、一人で、プレイを続行しているのですが、ディーラーは、15分~30分で、交代します。

疲れた脳の落合氏に、20人の元気な脳が、立て続けに勝負を挑んでくるのです。



アルバイトのディーラーが、フレッシュな脳で、どんどん出勤してくるシステム。

これが、ブラック・ジャックなどのカードゲームの秘密だったのです。


「運」

「確率」

「駆け引き」

「心理戦」


一見、こういうことだけに、目がいくように、仕向けていて、実は、

「脳内疲労」

これを、狙っていたということに、落合氏は、気がついたのだそうです。


このじいさんは、運気ではなくて、落合氏の顔の表情や動作から、

「あと5回くらいプレイした頃から、脳が疲れれてきて、判断力が落ちる。だから負ける」

と、判断していたのです。


ホテルの建物のエアコンからは、酸素が出ているために、身体は元気になっています。

でも、照明のなどで、時間の感覚を狂わせたり、バニーガールなどのセクシーな女性が、無料で、アルコールを配ったりして、脳を疲労させていたのです。

「身体は元気だが、脳は疲労している」

という錯覚で、皆、負けていたのです。


目から鱗でした…

「そうか… そういうことだったのか…」

ようやく、ラスベガスの秘密がわかって、嬉しくなりました。

「それにしても、お金を儲ける人たちって、ここまで、仕掛けをするんだな…」

こう思って驚きました。




それから、さらに、いろいろ調べて、

「よし、今夜で、ラスベガスで、ギャンブルをする最後のプレイにしよう」

こう思って、「ラスベガスクラブ」に行って、「ブラック・ジャック」をやりました。

全身全霊をかけて、本気で勝負しました。

脳が疲れてきたと思ったら、部屋に戻って、積極的な休息もとるような作戦に、変更しました。


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しかし…

最後には、スッカラカンになって、ボロ負けしていました。


なけなしのお金を賭けて、財布のお金が、ゼロになったことを、ディーラーに伝えたら、そのディーラーが、

「あなたのこと、気に入りましたよ。ずいぶん勉強したんですね。あなたのような賢い賭け方をするお客さん、初めて見ましたよ」

こう言って、褒めてくれたのです。

「ユー アー クレバー!」

というセリフが、耳に残りました。

この言葉を聞いたら、ホッとして、それから、目から、少しだけ涙がでてきました。


驚きました。

こういう涙が、出てくるというのは、何かを本気でやった時です。

「たかが、ギャンブルじゃないか」

と、思う人もいるでしょうが、どんなことでも、ある時期、ひとつのことを、本気で真剣にやるということは、やはり、いいことなんだと思います。


この瞬間が、自分のギャンブルの卒業式だったと、思っています。

これ以降、ギャンブルは、やっていません。


「ラスベガスで、運よく勝った!」

という人は、たくさんいるでしょうが、

「ラスベガスで、プロのディーラーから褒められた!」

という人は、あまりいないと思います。

これっ、けっこう自慢です。(笑)




ギャンブルをやめたのは、他にも、当時やっていた、「パワーリフティング」というう競技の記録が、伸びてきて、こちらのほうに、魅力を感じはじめたということも、理由の一つです。

ギャンブルに夢中になっていた頃は、これよりも、ワクワクするものが、なかったからでした。

逆に言うと、もし、ギャンブルを、やめたいと思ったら、それよりもワクワクするものを、見つけることです。

「道徳」などでは、やめられません。

私のように、人生が破滅しない程度で、とことんやってみても、いいかもしれません。




「ラスベガス」では、本当にたくさんのことを学びました。

あの時の経験は、無駄ではないと思います。


あれから、17年以上の歳月がたちました。

「ラスベガス」に行かなくなって、しばらくしてから、「パワーリフティング」の世界大会で、優勝したり、「精神世界の鉄人」というサイトを作成したり、起業して、いろいろなビジネスをやったりしました。

「ギャンブル」なんか、比較にならないくらい、楽しくて充実したものを、見つけることができたのです。


現在は、いろいろなセミナーを開催したり、個人セッションをしたりして、静かなワクワクを感じながら、毎日地道に、コツコツ仕事しています。

苦しいことも、楽しいことも、同じくらいありますが、とても充実した毎日を生きています。





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