Quantcast
Channel: 精神世界の鉄人のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1615

サイレント

$
0
0

以前に、書いたエッセイから、再掲載です。




1992年頃の話ですが、サラリーマン時代、会社の研修で、とても、ためになる話を、聴きました。

いろいろな研修を、受けましたが、この研修が、とても、心に、残っています。

その研修の内容は、「ビジネス」だったのですが、その講師が、こう言ったのです。

「いいですか、皆さん。これからの時代のビジネスは、サイレントになってきますよ」

口の前に、人差し指を、立てて、

「シーッ」

というポーズをしながら、開口一番、こう言いました。



どういうことかというと、今後、ビジネスの業界は、もちろん、社会全体が、どんどん、「サイレント」の方向に、向かっていくと、言ったのです。

つまり、「クレーマー」が、どんどん、少なくなっていくということです。

クレーム(苦情)が、少しづつ、社会から、なくなっていくという意味でした。

これは、「親切な社会」という、いい意味ではなく、「不親切な社会」という悪い意味で、言っていました。

昔は、お店などに、お客さんが、来た場合、サービスが、悪かったり、製品が、気に入らなかったら、その場で、怒ったり、文句を言ったりしたものですが、これからは、だんだんと、そういうお客さんは、少なくなってくるという話でした。

そのかわり、何も、言わずに、無言で、スーッと、立ち去っていくお客さんばかりに、なってくると、言っていました。

無言の抗議、つまり、

「再び、そのお店には、来ない」

というだけの話に、なってくるのだと、言っていました。



これは、ある意味で、怖い社会です。

まだ、お客さんが、クレームをつけてくれれば、反省して、それを、改善して、立ち直ることもできます。

しかし、サイレントだと、無言で、一言も、発せずに、帰っていった場合、お店は、

「いったい、自分たちのどこが、悪かったのか?」

という反省が、できません。

だから、少しづつ、売り上げが、落ちてきて、気が付いたら、赤字になり、お店が、つぶれるという結果に、なるのです。

それは、ある程度、社会が、成熟したからでもあります。

つまり、発展途上国のレストランなどに行くと、いまだに、コップを、ゴン!と、勢いよく置かれたり、お釣りを、間違えられたり、酷いサービスを、経験することもあるでしょうが、日本などの、先進国では、頭に、カーッと、血が上るほどの無礼なサービスには、あまり、遭遇しないのです。

そのかわり、

「なんとなく、今の店員さん、感じが悪いな…。次からは、もう、この店には、来たくないな…」

などと、なんとなく、ボンヤリとした不快感を、感じることのほうが、多いのです。



人間関係においては、喧嘩になったり、嫌ったり、嫌われたりする場合、現代では、あまり、わかりやすい「悪」という行為は、ありません。

つまり、「ナイフで、人を刺す」という行為や「顔を、ぶん殴る」だとか、「唾を、吐きかける」とか、そういうことで、喧嘩や仲たがいをすることは、あまりないのです。

99%以上の喧嘩や仲たがいは、

「なんとなく…」

という理由ばかりなのです。

わかりやすく言うと、

「こういうことは、いちいち、相手に、言うほどのことではないな…」

という理由で、人間関係は、壊れることが、圧倒的に、多いのです。



その会社の研修を、受けてから、そういう視点で、会社生活を、眺めてみると、いろいろなことに、気が付きました。

たとえば、同じ会社に、50歳くらいの先輩が、いたのですが、この先輩は、性格が、とってもよく、仕事も、真面目にやるのですが、周囲から、思いっきり、馬鹿にされていました。

そして、よく、人間関係のトラブルを、起こしていました。

もちろん、出世など、できそうにないタイプでした。

「どうして、この先輩は、こんなに、皆から、馬鹿にされるんだろう?」

と不思議に、思っていたのですが、だんだん、理由が、わかってきました。

その先輩の悪い癖だと、思うのですが、トイレに行って、でてきた時に、ズボンのチャックが、1.5センチほど、よく空いているのです。

1センチだと、あまり、気になりません。

また、2センチだと、周囲も、

「空いてますよ」

と、注意をすると、思いますが、ちょうど、1.5センチという微妙な長さが、空いているのです。

だから、自分も含めて、周囲の人たちは、

「この人、また、チャックが、空いているな…。どうしようかな? 注意してあげようかな? でも、まあ、まだ、それほど、空いているわけではないから、とりあえず、黙っているか…。そのうち、自分でも、気がつくだろう…」

と思ってしまうのでした。

そして、会うたびに、よく、空いているものだから、どうしても、

「この人、馬鹿だな…」

と思っていまうのです。

申し訳ないけど、本当に、そう思うのです。

でも、この思いも、やはり、

「これも、いちいち、口にだすほどのことではない」

と思っていました。



このように、ビジネスだけでなく、日常生活においても、人が、人を嫌ったり、馬鹿にしたりすることのほとんどが、

「いちいち、言うほどのことではない」

という言葉や行為ばかりなのです。

精神世界の業界では、よく、

「アリガトウなどの感謝の言葉を、口に出すことが大事。そうすれば、自分の周囲が、天国になる」

だとか、逆の

「バカヤロウなどの愚痴や悪口の言葉を、口に出さないことが大事。その言葉は、自分の周囲を、地獄にする」

という教えが、説かれることが、多いです。

でも、こういうことよりも、もっと、気をつけなくては、いけないことがあります。

それは、

「自分では、あまり、意識しないような、少しネガティブな言葉。周囲も、いちいち注意しない程度の悪い言葉を、口から、出さないようにする。また、そういう行為も、やらないようにする」

ということです。



思い浮かぶ言葉や行為を、具体的に、例を、あげてみましょう。

「NGワード」や「NG行為」ですね。

○会話が、終わった後に、その会話の相手の話の内容に対して、

「くだらない」

「つまらない」

と、言ってしまう。

これは、場合によっては、1回やっただけで、おしまいのことも、多いです。

数回やったら、アウトです。

こういう言葉を、言われた人は、もう、二度と、その言った人を、食事などに、誘うことは、ないと思います。

○会話で、相手の話が、始まったとたんに、

「そればっかし!」

「また、そのはなし~?」

「その話、聞くの100回目、あはは」

とか、言う。

これも、いちいち、腹を立てるほどのことでは、ありませんが、言われた人は、もう、他の話題に、代えようとは、思いません。

また、言われるかもしれないからです。

ほとんどの人が、

「用事を、思い出した」

とか言って、黙って、帰るでしょう。

言った人は、どうして、その人が、急に、帰ったのかも、わからないことが、多いみたいです。

○会話の途中で、

「要するに、こういうことでしょう?」

と、話が、終わってもいないのに、先に、結論を、言ってしまう。

だいたい、こういう結論を、先に言う人に限って、実は、その結論が、外れているのですが、自分では、頭の回転が速いことが、アピールできたと、思っています。

これも、程度の問題ですが、頻繁に、やりすぎると、次回から、食事などに、誘ってもらえなくなります。

○皆で、レストランなどで、楽しく話をしている最中に、携帯メールを、頻繁に、チェックしたり、電話を、かけたりする。

これも、嫌がられます。

人数が、5人の場合、おそらく、次回、ドライブなどに、皆で行く時に、車が、1台しか用意できなくて、4人しか、乗れない場合、この人物が、自然に、誘われなくなると、思います。

もちろん、理由は、

「なんとなく…」

です。

いちいち、怒ったり、注意してくれる人は、いません。

○レストランなどで、皆で、真剣に、ある問題の核心について、語っている最中に、いきなり、メニューを、持ち上げて、追加注文を、とろうとしたり、あくびをしたり、その場のリーダーが、真剣に、話を始めた途端に、トイレに、行ったりする。

これも、いちいち、注意する人は、いません。

皆、

「この人、なんとなく、空気が、読めない人だったんだな…」

と、思うだけで、おしまいです。

もちろん、次回から、声も、かからなくなります。

○頻繁に、遅刻する。遅刻する時も、連絡をすれば、いいのですが、まったく、連絡をしなかったり、謝らなかったりする。

連絡する時も、ただ、単に、

「遅れます」

だけだったりする。

親切な人は、ちゃんと、

「あと、10分くらい遅れます」

と、到着予定時間を、教えてくれます。

こうやって、時間を、言ってくれると、スケジュールが、立てやすくなります。

言わないと、けっこう、皆が、ストレスを、感じます。

ただ、こういうことも、丁寧に、教えてくれる人は、まずいません。



他にも、たくさんあるのですが、まあ、これくらいに、しておきましょう。

ただ、これらは、問題が、わかっても、すぐには、なおせません。

子供の頃からの、数十年間の積み重ねで、そうなったからです。

だから、家庭環境の問題が、大きいのですが、なかなか、修正は、難しいです。



もうひとつだけ、例を、あげますね。

あるビジネスセミナーで、聴いた話です。

実際に、よくある話だそうです。

例えば、大企業などが、派遣社員を、100人くらい、雇っているとします。

そして、3ヶ月間の間に、皆の仕事ぶりを、その会社の部長さんが、みています。

そして、全員に、コピーを取る仕事をさせます。

その時、よく、あることですが、パソコンから、印刷すると、コピーの用紙が、2枚になることがあります。

そして、2枚目の用紙に、1行だけ、文章が、印刷されます。

その文章も、

「ました。」

のように、4文字だけが、印刷されることが、よくあります。

その時に、ほとんどの人、だいたい、100人中、99人の人は、

「ああ。4文字、余って、2枚になってしまった…。まあ、いいか…。いちいち、修正するのも、めんどうだから、そのまま、コピーして、部長のところに、提出しよう」

と思います。

そして、提出してしまうのです。

でも、100人中、1人くらいは、

「用紙が、もったいないから、この4文字を、切り貼りして、1枚にしよう。もしくは、縮小コピーして、なんとか、1枚にまとめて、部長に、提出しよう」

と思って、提出します。

そして、3ヶ月後に、

「君、いい仕事ぶりだね。ところで、わが社の正社員に、ならないかね?」

と声が、かかるのは、このコピーを、1枚に、まとめた、100人中の1人に、なるそうです。

考えてみれば、

「たかが、用紙1枚」

ですが、この大企業が、30万人くらいの大企業で、子会社なども含めて、全グループ企業に、このコピーを、配ろうとしたら、この1枚が、物凄いコストになります。

大げさな言い方をすれば、何回も、こういうことを、やったら、地球環境にも、悪影響を与えます。

だから、大企業としては、こういう丁寧に、工夫して、コピーを取る人を、

「正社員にしたい」

と、考えているのです。

でも、これも、いちいち、

「君のコピーの取り方が、うまかったので、採用を、決めたんですよ」

などとは、教えてくれません。

もちろん、そのまま、採用しなかった、残りの99人にも、いちいち、

「どうして、採用しなかったのか? それは、コピーの取り方が、いい加減だったからですよ」

なんて、理由は、説明しません。

そうやって、たったのコピー1枚で、年収が、300万円の人と1000万円の人に、分かれているというのが、現在の格差社会の大きな要因の一つらしいのです。

だから、総理大臣や政府の悪口を言うのも、いいのですが、なかなか、就職や転職、出世が、思ったようにいかない人は、一度、こういう観点から、自分自身や社会を、考えてみると、いいと思います。



これからも、しばらくは、この「サイレント」の現象は、続くと思います。

人々が、怒りや憤り、不満などを、口に出さなくなっていくのです。

そして、何も言わずに、スーッと、引いていき、2度と誘ってもらえなくなる。

こういう人が、今でも、そして、これからも、どんどん、増えていくと思います。

ビジネスシーンは、もちろん、友人関係や恋愛、結婚でも、そうだと思います。

そういう状況の中で、

「では、どうするか?」

ですね。

すでに、気がついている人も、多いと思いますが、上記の思いやりがなく、想像力に欠け、空気が読めずに、「NGワード」や「NG行為」を、頻繁に、繰り返し、友人が、スーッと引いていったのは、若い頃の私が、モデルです。

よく、こういうことをやって、大ひんしゅくを、買っていました。

さらに、そのことにも、なかなか、気がつかないという状態でした。(苦笑)

まあ、今でも、たまにやりますが、若い頃に比べたら、少しは、マシになっています。

それは、いろいろなキッカケで、気がついたのですが、

「すこしづつ、自分のこういうところを、なおしたい…」

と思ってからは、謙虚になって、親しい友人に、勇気をもって、聞くことにしました。

その時、こういう聞き方を、していました。

「ねえ、自分の悪いところ、欠点って、どういうところだと思う? 絶対怒らないから、教えてくれない? 自分の長所や短所って、自分では、なかなか、わからないんだよね。特に、短所は。その中でも、微妙に、周囲を、不愉快にしている癖って、あるよね。ちょっと、教えて。ただ、自分は、けっこう、気が弱くて、傷つきやすいから、お手柔らかに、やさしく、言葉を選んで、教えてね」

最後の部分は、特に、大事です。

人によっては、本当に、グサッと、心に、突き刺さる指摘を、する人もいるから、注意が必要です。

「本当のこと」ほど、人を、傷つけるものは、ないからです。

自分の短所に、気がついたら、年齢が、若いうちは、なるべく、がんばって、なおすようにしたら、いいと思います。

ただ、ある程度、年齢を重ねて、

「あまり、自己改造をすることは、難しい」

と感じたら、その時は、短所を、なおすよりも、長所を、伸ばすことを、考えたほうが、うまくいきます。

自己改造には、大きく分けて、

「短所是正法」

「長所進展法」

の二つが、あるのですが、年齢を、重ねるごとに、だんだん、後者のほうが、効果が、期待できるように、なってきます。

人に、聞いてみると、自分でも、気がつかなかった、意外な短所に、たくさん、気がつくかもしれませんよ。

「挨拶をしない」

「髪型が、微妙に変」

「食べ方が、微妙に下品」

「香水のにおいが、きつい」

「ネクタイのセンスが、悪い」

「眼鏡が、いつも、汚れている」

「貧乏ゆすりを、する」

「いびきが、うるさい」

などなど。

今まで、無言で、スーッと、引いていた人たちの無言の抗議、「サイレント」の中に、もしかしたら、幸せになれる宝物が、たくさん、隠れているかもしれませんよ。

ただ、何度もいいますが、聞く人は、心のやさしい人を、選んでくださいね。(笑)



人間は、どんな人も、皆、傷ついたり、傷つけられたりしながら、学んでいる、「人生道場」の中の門下生同士だと、思います。

遠慮しないで、お互いに、やさしく、教えあえたらいいですね。






PS 人間関係において、トラブルが、起こっても、だんだん、「サイレント」で、解決しようという流れに、なってきています。

相手の気持ちを、「察する」という能力が、これからは、とても、求められています。

「いつのまにか、嫌われ者に、なっていた…」

という場合は、ほとんどが、「どうでもいい、小さいこと」が、積み重なっているのです。

$精神世界の鉄人のブログ






☆精神世界のランキングです。1日1回、ポチッと、クリックお願いしますね。↓



にほんブログ村 哲学ブログ スピリチュアル・精神世界へ

ペタしてね

読者登録してね

アメンバー募集中

フォローしてね

Twitterボタン
Twitterブログパーツ

トーマ イタル

バナーを作成


以上




♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


トーマ

toma_atlas@yahoo.co.jp



☆日記(エッセイ)の過去の全バックナンバーです。

http://www.tomaatlas.com/library.htm

☆「精神世界の鉄人」のメルマガも、発行しています。

http://www.melma.com/backnumber_38906/

☆キネシオロジーの個人セッションです。

http://www.tomaatlas.com/soul.htm

☆MIXI内にも、「精神世界の鉄人」のコミュを、作成しました。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=4663380



☆精神世界の面白いサイトが、たくさんあります。 ↓

http://airw.net/newage/rank.cgi?id=atlas

☆「光のネットワーク(リンク集)」です。

http://www.tomaatlas.com/linksnew.htm

☆私のメインサントです。 ↓

http://www.tomaatlas.com/




☆「精神世界の鉄人」のグルっぽです。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1615

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>