ゴールデンウイークも、終わりましたね。
これから、しばらく、長期の連休がないサラリーマンも、多いと思います。
昔から、この時期になると、「五月病」といって、職場に行くのが、嫌になって、気分が暗くなる人も、多いみたいです。
本当に、好きな仕事だったら、そういうことには、ならないと思いますが、ほとんどの人は、それほど好きではない仕事を、やっているために、職場が、苦しく感じるのも、この時期だと、思います。
私自身も、サラリーマン時代、5月から7月が、気分的に、一番苦しかった記憶があります。
1996年に、サラリーマンを辞めて、渡米しました。
それから、約6年の留学を終えて、2002年の夏に、独立起業を志し、その年の秋から、現在の仕事、「キネシオロジー」で、起業しました。
今年で、起業して、10年になります。
最初は個人事業主で、スタートして、2007年に、株式会社を設立して、代表取締役になりました。
まあ、小さな会社ですし、たくさん儲かっているわけでも、ないのですが、とりあえず、好きなことで、飯が食っていけるという、昔からの小さな夢を、実現させています。
大企業を経営して、大成功しているわけではないので、大きな夢を、持っている人には、あまり、参考にならないと、思いますが、
「自分の好きなことで、生活していきたい。毎日、楽しく、ワクワクしながら、生きていきたい」
という小さな夢を、持っている人には、私は、自分の体験から、かなり的確なアドバイスが、できます。
起業する場合、理想的なのは、あまり、周囲から、理解されにくいビジネスが、いいということです。
まったく、理解されないのも、ダメですが、説明しても、
「なにそれっ? そんなビジネス、聞いたことないですよ。やめておいたほうが、いいですよ…」
というかんじで、周囲から、反対されるくらいが、ちょうどいいのです。
「ああ、そのビジネス、いいんじゃない。がんばってね!」
と簡単に、理解されるようなものは、すでに、やっている人が、たくさんいるビジネスなので、チャンスは、少ないと思っておいたほうが、いいです。
私が、10年前に、キネシオロジーで、起業した時も、家族や友人、知人たちから、
「えっ? キネシ…、なんですって? もういちど、言ってみてください。そんなへんな仕事で、食って行けるんですか? やめておいたほうが、いいと思いますよ…」
と心配されました。
このくらいのビジネスが、理想的なのです。(笑)
パイオニアというものは、「孤独」です。
いや、正確にいうと、「孤高」なのです。
はじめてやるものは、理解されなくて、当然なのです。
だから、起業する場合の心構えとしては、「孤高」を、覚悟しなくては、いけないということです。
言い換えると、
「なんでもかんでも、全部、一人でやるしかない」
という気持ちで、ビジネスを、スタートしなくては、いけないということです。
漢字にも、それは、表現されています。
「起業」という漢字は、
「己が、走る」という「業(行動)」なのです。
「企業」という漢字は、
「人を、止める」という「業(行動)」なのです。
最初に、起業する時は、とにかく、一人で、朝から晩まで、突っ走る。
それから、ある程度、儲かって、人が集まり、会社が、大きくなってきたら、今度は、従業員が、辞めないように、環境つくりをする。
これが、「起業」から「企業」への移行のしかたなのです。
漢字って、面白いですね。
起業する場合、このように、とにかく、自分一人だけの戦いを、しばらくは、続けなくてはいけないのですが、これに、耐えた人だけが、成功できるみたいです。
厳しいことをいうと、最初から、人を当てにしたり、誰かから、助けてもらおうという甘い考えの人は、起業で、成功することは、難しいと思います。
私自身は、一度も、「異業種交流会」だとか、「名刺交換会」のような場所には、行ったことがありません。
こういうところで、素晴らしい出会いがあったり、これを、キッカケに、いいビジネスが、スタートすることも、モチロンあるとは、思いますが、自分は、行こうとは、思いませんでした。
起業したばかりの頃は、そんな場所に、行くよりも、一人でも、多くの人を、キネシオロジーで、健康で幸せになってもらいたいと、考えていました。
そして、毎日、その気持ちを、コツコツと、実践してきただけです。
何かに、迷ったり、悩んだ時も、まずは、自分で、とことん考える。
それから、本を買って読んだり、インターネットで、調べたりしました。
それでも、どうしても、わからないことが、あった時だけ、師匠の本間先生に、相談したりしていました。
アメリカに住んでいた頃に、日本人で、
「アメリカで、一旗揚げてやるぞ! アメリカンドリームを、実現させるぞー!」
と威勢のいいことを言って、起業している若者などを、よく見ました。
彼らが、まっさきに、やっていたのが、「人脈づくり」でした。
でも、あれから、10年以上の歳月が、たちますが、この「人脈づくり」に、夢中になっていた人で、成功している人には、あったことがありません。
成功している人たちは、そんなことしないで、自分が好きなこと、そして、世の中の役にたつことを、無我夢中で、ひたすら、やり続けてきた人たちです。
「人脈を、つくりたい」
と思っている人のほとんどは、自分の利益のために、それを、やっている人が、多いような気がします。
「相手を、利用しよう」
という気持ちが、奥底に、隠れていることが、多いということです。
そういう気持ちからは、いい人間関係は、築けないと思います。
ある本に、書いてあったのですが、その著者が、世界中の成功者に、インタビューした時に、
「どういう人が、一番嫌いですか?」
と尋ねたら、成功者の全員が、
「タダ乗りしようとしてくる奴だ!」
と答えたそうです。
つまり、
「楽をして、成功しようと、思っている若者が、一番嫌いだ!」
と言っているのです。
この言葉は、これから、起業しようと思っている人は、特に、心に留めておいたほうが、いいと思います。
「成功しようと思ったら、すでに、成功している人に、助けてもらうのが、一番の近道である。でも、成功している人は、助けてもらおうと思って、近づいてくる人を、一番嫌う」
こういう大原則があるのです。
成功者は、例外なく、皆、若いころに、孤独な状況の中で、血が滲むような努力を、重ねて、成功をつかんだ孤高の人たちばかりです。
だから、最初から、甘えているような若者が、一番嫌いなのです。
では、どうすればいいのかというと、反対のことを、やればいいのです。
「自分は、誰の助けも、借りない。自分の力だけで、人生を、切り開いてみせる!」
こういう決意をして、ガムシャラに、頑張っている人が、成功者は、好きなのです。
20歳の頃から、私は、パワーリフティングという競技を始めて、ガムシャラに、頑張っていました。
約15年、選手生活を、続けましたが、たくさんの素晴らしい指導者や先輩から、かわいがってもらいました。
納得いくまで、練習する主義だったので、練習時間が、一日に、5時間以上など、ざらでした。
シャワーを浴びて、ジムから出たら、先輩が、待っていて、よく、飲みに誘ってくれました。
「君は、練習のやりすぎだよ。そんなに、ハードトレーニングしたら、そのうち、身体を、壊すよ。そろそろ、もっと、効率のいいやりかたを、覚えたほうがいいよ」
こうアドバイスされたりしました。
「君は、バカみたいに、一つのことに、打ちこめるなー。そんなに、バーベルを持ち上げるのが好きか? なんか、君を見ていると、私の若いころを、思い出すよ。君は、私の後継者になるよ」
当時の日本チャンピオンの先輩から、ニコニコ笑いながら、こう言われた時が、一番嬉しかったです。
ガムシャラに、頑張っていると、すでに、成功している人の目に、必ず留まります。
そして、かわいがってもらえることが、多いです。
ただ、その時も、その成功者は、必要以上のことは、やってくれません。
ほんの少しだけ、アドバイスしてくれるくらいです。
でも、その小さなアドバイスで、劇的に、人生が変わることが、多いのです。
私が起業して、4年目、2006年の夏に、死に物狂いで、働いて、壁にぶち当たって、苦しんでいた頃、あまり、表にはでてきませんが、ある日本のトップビジネスマンの方と、お会いする機会がありました。
そして、数回に渡って、一緒に、食事をさせていたけるという幸運に、恵まれました。
その時に、他では、絶対に、聞けないような「ビジネスの奥義」も、教えていただけました。
私の悩みや質問を、黙って、聴いた後に、静かに、
「ビジネスとは、そもそも、どういうものなのか?」
ということを、目から鱗が、落ちまくるくらいに、驚きながら、聴きました。
どんな高額セミナーでも、聴けないような凄い話でした。
このビジネスマンは、友人の紹介で、知り合えたのですが、この友人も、世間的には、なんの肩書もない、普通の会社員でした。
別に、計算して、こういう人物と、知り合ったわけではなく、いつのまにか、自然に、知り合ったのです。
振り返ってみると、私の場合、
「人脈を、つくりたい」
と思ったことは、一度もありませんが、結果として、素晴らしい人脈が、構築されています。
成功者たちは、皆、このパターンなのだと、思います。
仲良しの友人たちと、楽しく、起業するのも、いいとは思いますが、やはり、心の片隅に、
「自分一人だけでも、やりとおすぞ!」
という固い決意が、あったほうが、ビジネスというのは、うまくいくことが、多いみたいです。
もし、仲のいい友人と、二人で、起業す場合、こういうことを、念頭においておいてください。
運動会の「二人三脚」というのは、たしかに、楽しいですが、走る速度は、格段に、遅くなります。
二人が、全力で、励ましあい、競いあいながら、走り切って、結果として、同時に、ゴールした時、一人で、走っている時よりも、いいタイムがでることが、多いのです。
趣味なら、いいのですが、ビジネスで、組む場合、「甘えあう」という関係は、絶対に、ダメです。
常に、「励ましあう」という厳しさが、あったほうが、ビジネスの関係では、長続きするものなのです。
繰り返しますが、
「起業のために、いい人脈を、つくってから、ビジネスで、成功しよう」
という考えは、あまり、オススメしません。
「起業を志して、ガムシャラに、ビジネスしていたら、いつのまにか、成功していて、結果として、いい人脈に、恵まれるようになった」
こういう人が、本当の成功者なのです。
「人脈」というものは、
「努力して、つくるもの」
ではなく、
「努力の結果、自然に、できてしまうもの」
なのです。
☆二人三脚は、楽しいけど、スピードは、遅くなりますよ。(笑)
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