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マザーテレサのビジネス

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前回、「起業」について、語りましたが、続きです。




正式に、起業したのは、2002年ですが、その2年前、1999年頃にも、起業らしいことは、始めていました。

当時は、まだ、ロサンゼルスに、住んでいたのですが、「ノニジュース」というサプリメントの販売を、始めました。

自分自身の身体が、とっても、調子よくなったので、周りの人たちに、勧めようと、思ったのです。

高価なジュースで、1本、46ドルでした。

当時の日本円で、4600円くらいですね。

当時、いろいろな事情から、わりと経済的に、余裕があったので、ビジネスや金儲けというよりは、半分、ボランティアや奉仕活動のような気持で、活動していました。

つまり、

「利益は、特にいらない。たくさんの人々が、健康になって、喜んでもらうために、自分は、この活動を、やっているんだ」

こういう誇りや使命感をもって、ジュースの販売を、やっていたのです。




ただ、最初に、活動を始める時に、一番、悩んだのが、値段でした。

数名のグループで、そのビジネスを、やっていのですが、他の人たちは、皆、だいたい定価の46ドルで、販売していました。

ちなみに、そのジュースの原価は、35ドルくらいでした。

特に、お金に、困っているわけではなかったので、

「よし。自分は、利益はいらない。まあ、無料でも、いいと思うが、それは、少し負担が、大きいので、原価の35ドルで、販売しよう。そのほうが、たくさんの人が、喜んでくれるだろう!」

こう考えて、1本、35ドルで、販売することにしました。

他のお店は、46ドルで、売っているのに、私だけ、格安の35ドルだったので、口コミで、噂が広まり、たくさんの人が、買いにきました。

11ドルも、安いというのは、やはり、魅力だったのです。

ただ、たくさんの人から、依頼があって、そのたびに、車で、届けに行くのですが、最初は、いいのですが、注文が、2回、3回、4回と続いているうちに、だんだん、販売が、苦痛になってきました。

「人々の笑顔が、見られるだけでいい。自分は、お金が、目的ではない」

と思っているのですが、どうしても、身体が、重く感じるように、なってきたのです。

考えてみれば、利益が、ゼロということは、儲けが、ゼロというだけではないのです。

届けるまでに、車を、運転してくので、ガソリン代も、かかるし、動き回るから、食事代もかかります。

実際には、マイナスの利益に、なっていたのです。

そのうち、注文があっても、届けることが、できなくなってしまい、3か月くらいで、その活動を、やめてしまいました。

そして、グループのリーダーの人に、相談したら、優しく諭されました。

「なるほど。事情は、よくわかりました。それは、失敗だったね。無料奉仕というのを、続けるのは、とっても、難しいんですよ。これからは、なるべく、最低でも、原価に対して、2割の利益は、とってください。具体的には、35ドルの2割、つまり、7ドルですね。定価、42ドル以上で、販売するようにしてみてください。この2割の利益は、君のビジネスを、続けるために、取る利益です。君のためでもあるけど、世の中のためでもあるのです。ほとんどの人間は、これだけの利益がないと、続かないみたいです。そして、君が、続けることによって、お客さんも、より健康になるので、結果として、世の中に、広く貢献できるのですよ」

それから、42~46ドルに、値段を上げて、販売すると、だんだんビジネスを、続けられるようになりました。

でも、最初に、35ドルで、買ったお客さんは、2度と買ってくれませんでした。

値上げしたとたんに、冷たくされてしまいました。(苦笑)

あとで、聞いたところによると、私が、35ドルで、販売したことによって、46ドルで販売していた他のお店も、売れなくなり、グループの皆が、とっても困ってたそうです。

「お客さんに、喜んでもらおうと思って、格安の原価で、販売したのに、いったい、自分のどこか、悪かったんだろう? どうして、自分もお客さんも他のお店も、皆、ダメになってしまったんだろう?」

しばらく、悶々として、悩んでいました。

その後、理由が、わかりました。

「そうか! わかったぞ…。原価が、35ドルで、定価が、46ドルだというととは、この46ドルが、いわゆる、適正価格というやつで、世間の常識を、反映しているのかもしれない。ちょうど、需要と供給が、釣り合っている市場価格だ。この46ドルよりも多い、50ドルや60ドルという値段設定にして、嘘をついたり、誇大広告をして、販売して、多く利益をとろうと考えるのは、販売者のエゴなのだ。一方で、35ドルという原価で、利益を、取らないで、販売しようというのも、人から、よく、思われたいというエゴだったのだ」



そうなのです。

「ぼろ儲けしてやろう!」

と考えて、必要以上の利益を取るのも、エゴですが、

「皆から、いい人だと、思われたい…」

と考えて、必要以上に、利益を取らないのも、エゴだったということに、気がついたのです。

やはり、一番いいのは、変に、値段をいじったりしないで、真面目に、誠実に、適正価格で、長い期間、販売を、コツコツ続けるということが、自分も、お客さんも、周りの仲間も、皆が、健康で、幸せになる、最適の方法だということに、気がついたのです。

これは、自分にとって、大きな学びでした。

起業したばかりの最初に、こういうことを、学べた自分は、ラッキーだったと、今でも、思っています。



ビジネスの場合、「お金を、儲けすぎるエゴ」と「お金を、儲けすぎないエゴ」の二つが、あるみたいです。

前者のほうは、わかりやすいく、誰でも、すぐに、気がつくのですが、後者のほうは、自分も周囲も、なかなか、気がつかないです。

目安は、

「そのビジネスが、自然に、スムーズに、続いているのか? 自分も周囲も、皆が、ハッピーになっているのか?」

というのを、見てみると、よくわかります。

自分や周囲の誰かが、苦しんでいたら、そのビジネスは、不自然なのです。

自分が、必要以上に、お金を、稼ぎすぎると、周囲が、苦しくなります。

自分が、必要以上に、お金を、稼ぎすぎないと、自分が、苦しくなります。

ただ、これは、最初に、見抜くことは、難しいです。

ビジネスを、始めてみて、とりあえず、一定期間、やってみないと、わからないのです。

もし、短い期間で、終わったら、そのビジネスは、どちらかのエゴに、偏っていたのだと思います。

逆に、長く続いているビジネスは、なんだかんだいって、バランスのとれた、値段設定に、なっているのだと思います。

 

精神世界の業界でも、ヒーリングの仕事において、

「値段を、どうするか?」

は、常に、ヒーラーさんたちにとって、悩みの種だと思います。

まず、無料でやるか有料でやるかについては、

「どちらでも、いいだろう」

というのが、私の感想です。

どちらのやりかたも、素晴らしいと思います。

ただ、気をつけないといけないのは、無料で、ヒーリングの仕事ができる人は、とても、恵まれた立場の人だけだと、いうことです。

私の知り合いで、無料で、ヒーリングしている人たちは、全員ではありませんが、裕福な人ばかりです。

ヒーリングの仕事以外に、不動産や株、ネットワークビジネスなどからの不労所得が、あったり、実家が、資産家だったり、配偶者が、高収入の人が、多いです。

あとは、都会から離れた、田舎暮らしで、お金が、ほとんどかからない生活をしている人が、多いです。

こういう裕福で、経済的な条件に恵まれた人たちは、それ以上、お金を、稼ぐ必要もないので、たしかに、ヒーリングの仕事で、必要以上のお金を、稼ぐのは、エゴなのかもしれません。

無料で、やったほうが、魂が、喜ぶでしょう。

でも、これに当てはまらない人たちは、ある程度、利益が出ないと、ヒーリングを、仕事で、続けるのは、とっても難しいと思います。

ある程度、利益をだし、きちんと稼いだほうが、魂が、喜ぶと思います。

くれぐれも、「無条件の愛」という言葉に酔って、自己犠牲をやりすぎることは、避けたほうが、いいです。

周囲に、合わせすぎて、自分を、必要以上に、苦しい立場に、もっていく、

「いい人だと、思われたい」

というエゴに、気をつけてくださいね。




以前、テレビの「深イイ話」で、マザー・テレサの話が、取り上げれました。

マザー・テレサは、生前、インドで、献身的な活動が認められ、当時のローマ法王が、日本円で、300万円する、高級車、ロールスロイスを、感謝の意味を込めて、プレゼントしたそうです。

もちろん、周りの人たちは、

「慈悲深い、マザー・テレサのことだから、きっと、この車を売り、そのお金を、インドの貧しい人たちのために使うだろう」

と思ったそうです。

しかし、彼女は、そうしなかったそうです。

どうしたと、思いますか?

なんと、マザー・テレサは、そのロールスロイスを、賞品にして、「マザー・テレサ宝くじ」を、売り出したそうです。

1枚、3000円で。

「3000円で、ロールスロイスが当たる! しかも、有名なマザー・テレサが、主催した宝くじらしい!」

ということで、その宝くじは、インドじゅうで、飛ぶように売れたそうです。

そして、なんと、最終的に、5倍の1500万円の金額が、手に入ったそうです。

それから、そのお金で、新しい病院を、建てたそうです。

ただの寄付で、300万円で、奉仕しようと、思ったら、食糧や衣料、医療品を買って、一日に、1万人の人しか、助けられなかったかもしれません。

それが、1500万円を儲けて、病院を、建設したおかげて、これから先、100年くらいに、わたって、1億人以上という人数を、救うことが、可能になったのです。

どうですか? 

改めて、マザー・テレサの賢さやビジネスセンスに、驚くのでは、ないでしょうか。

一般的に、「無条件の愛」のイメージで、知られていますが、お金などを介する、「条件付きの愛」でも、手腕を、発揮していたのですね。

おそらく、マザー・テレサにとっては、お金というものは、自分の活動を、助ける道具の一つくらいにしか、考えていなかったのかもしれません。

「お金が、なかったら、ないなりの活動をする。お金があったら、あったなりの活動をする」

こういう柔軟な思考が、できたということです。

まずは、身近な人間関係から、自分のできる範囲内で、世の中に、貢献する。

そして、利用したり、活用できるものは、どんどん、活用する。

そういう逞しさを、感じますね。

マザー・テレサって、本当は、私たちが、思ってるいる以上の人物だったみたいです。

グレート・マザー・テレサだったのですね。(笑)




精神世界で、仕事をやっている人たちは、一般的に、与えるのは、得意ですが、受け取るのが、苦手な人が、多いみたいです。

特に、お金を、受け取るのが、苦手な人が、多いみたいです。

そういう人たちに、私が、昔、ある精神世界の本に、書いてあった、メッセージを、プレゼントしますね。

「精神世界の教えを、たくさん学んで、宇宙からの無限の豊かさを、受けとろうとしている人たちが、お金ごときを、受け取れないで、どうするのですか?」



「与える」という行為も、尊い行為ですが、ぜひ、同じくらい、尊い行為の「受け取る」という行為も、身につけてくださいね。

宇宙は、「与える」というレッスンも、望んでいますが、「受け取る」というレッスンも、望んでいるみたいですよ。

「宇宙からの無限の豊かさ」の中には、「お金」というちっぽけな道具も、含まれているということです。





PS マザー・テレサ、すばらしいビジネスセンスも、持っていた、本当に、すばらしい人物だったそうですね。

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