次郎さん:「そんなに強くなりたいのかい? 坊や?」
拳児:「うん! なりたい !」
次郎さん:「なってどうする?」
拳児:「みんなと、仲良くするんだ。そのためには、男は、強くなくちゃいけないって、じいっちゃん言ってたよ」
次郎さん:「そいつはいい。面白いじいちゃんだな」
拳児:「うん!」
小学一年生の拳児とテキ屋で喧嘩の達人の次郎さんの会話
マンガ「拳児」より
年末に、フジテレビ系列で、放映されていた、「ジャイアントキリング3 ~ スポーツマン腕相撲世界一決定戦」を、ご覧になった方も、多いと思います。
私自身、20代~30代にかけて、力の競技に、夢中になっていた時期があります。
アームレスリングも、ずいぶんやりました。
だから、この番組の面白さは、よくわかりました。
あまり、専門的になりすぎても、一般の方は、よくわからないと思うので、なるべく簡単に、説明しますね。
まず、この番組の趣旨である、
「誰が、腕相撲世界一なのか?」
ですが、厳密に言うと、この番組では、それは、わかりません。
こういう議論の場合、科学的に考えなくてはいけないからです。
何かを比較する場合、同じくらいの身長、同じくらいの体重、同じくらいの年齢、同じくらいの競技生活など、条件を合わせないと、本当の比較にならないのです。
極端なことを言うと、身長2メートルの人と、身長1メートルの人では、明らかに、ハンデがあります。
また、体重200キロの人と、体重50キロの人でも、ハンデが、ありすぎます。
同じ体格だったとしても、20歳の人と100歳の人でも、ハンデが、大きすぎます。
さらに、同じ格闘技でも、その道30年のベテランと、入門して3日の新人では、これも、ハンデが、ありすぎます。
特に、筋力が、勝敗に大きく影響するような競技は、体重が、大きく関係してきます。
なぜなら、筋力は、筋肉の量に、ある程度比例するからです。
重量挙げ、レスリング、ボクシングなどは、体重制が、採用されていますね。
それに対して、マラソンなどは、そういう制度は、ありません。
これは、持久力は、筋肉の量には、あまり関係ないからだそうです。
だから、本来ならば、こういう条件を、合わせないといけないのですが、まあ、この番組は、バラエティなので、そこまで、厳密にやる必要は、なかったのだと思います。
盛り上がって、楽しければいいのです。
専門的な話をすると、全ての格闘技やスポーツなどは、「特異性」という性質があります。
「特異性」
これは、辞書によると、
「事物にそなわっている特殊な性質。特殊性」
と書かれています。
簡単に言うと、
「何かをやった場合、そのやったことしか、効果は、上がらない」
ということです。
当たり前のことですが、水泳をやったら、水泳がうまくなるのです。
水泳をやったからといって、短距離がはやくなることは、ありません。
マラソンを走ったら、マラソンが、はやくなるのです。
マラソンをやっても、体操がうまくなることは、ありません。
バレーボールをやったら、バレーボールが、うまくなります。
バレーボールをやっても、ゴルフは、上達しません。
上記のように、スポーツだと、わかりやすりのですが、これが、格闘技や武道になると、混乱したり、錯覚する人が、多くなります。
相撲の稽古をすると、相撲だけが、強くなるのです。
相撲をやっても、ボクシングは、強くなりません。
レスリングの練習をすれば、レスリングだけが、強くなります。
レスリングをやっても、空手は、強くならないのです。
柔道をやっても、柔道しか、強くなりません。
柔道をやっても、キックボクシングが、強くなることはないのです。
ある程度は、関係あるのですが、自分の専門分野以外は、トレーニングしても、あまり関係ないのです。
これらのことを、全部まとめてみると、この番組での趣旨、「腕相撲の強さ」というのは、スポーツや格闘技の実力には、実は、あまり関係していないということが、わかると思います。
相撲をやっても、腕相撲は、強くならないのです。
ハンドボールをやっても、腕相撲は、強くなりません。
プロレスをやっても、腕相撲は、強くならないのです。
では、何をやったら、腕相撲が強くなるかというと、それは…
腕相撲を、やることです。
この番組では、腕相撲の選手、いわゆる、アームレスラーは、出場してませんでしたね。
もし、出場していたら、他の競技の選手が、まったく歯が立たずに、番組が、しらけるからです。
おそらく、上位の全ての選手が、アームレスラーで、独占されるでしょう。
そのくらい、差があるのです。
これは、逆も真なりで、
腕相撲をやったら、腕相撲しか、強くなれないのです。
アームレスラーが、相撲をとろうと、土俵に上がっても、力士たちに、まったく歯が立ちません。
同じように、ボクシングのリングに上がっても、ボクサーに、すぐにノックアウトされます。
水泳をやっても、はやく泳げるわけでもないし、もちろん、マラソンが、はやいわけでもありません。
腕相撲の選手は、腕相撲だけが、強いのです。
たまに、腕相撲の選手でも、他の格闘技、ボクシングやレスリングが、強い人もいますが、それは、その人が、ボクシングやレンリングの経験を、やっていたという場合が多いです。
この番組で、もしも、全ての出場選手を、同じ条件にして、腕相撲で、戦わせたら、どうなっていたでしょうね?
私は、おそらく、ヒュードルが、一番強かったのではないかと思っています。
「ロシアの皇帝」や「人類最強」という称号は、伊達ではないと思います。
「人類最強のヒョードル 対 現役横綱の白鵬」
というカードが、一番印象に残っています。
現役の横綱が、あっさり負けたという事実に、日本中が、衝撃を受けたと思います。
私も、もう少し接戦になると思っていました。
これは、白鵬が、弱いのではなく、ヒュードルが、強すぎるのです。
ヒュードルは、私が、いつも通っているトレーニングジムで、一度だけ、ロッカールームで、会ったことがあります。
このジムは、プロの格闘技の選手たちが、たくさん通っているのですが、他の格闘家たちが、強さのオーラを、バンバン出して、
「俺は、強いんだぞー!」
とアピールしているのに対して、ヒュードルは、まったく強さのオーラを、感じなかったので、印象に残っているのです。
そこにいるのかいないのかも、わからないほど、存在感のない人でした。
考えてみれば、これは、凄いことです。
存在感を、感じさせないということは、暗殺などの仕事に、向いているということです。
もちろん、ヒュードルが、こういう仕事をやることはないと思いますが、もしも、戦場だったら、こういうタイプが、一番怖いのです。
音もなく近づき、音もなく、相手を倒すという技術も、おそらく、ヒュードルは、知っていると思います。
これは、格闘家というよりは、武道家の姿勢かもしれません。
ここで、格闘技と武道について、もう少し書いてみますね。
二つの単語は、似ているようで、ちょっと違います。
「格闘技」と「武道」の明確な違いは、「攻撃」を、前提にしているか、「護身」を、前提にしているかという目的の違いだと思います。
「格闘技」は、決められたルールの中で、お互いの戦闘技量を、競い合う競技です。
攻撃をしなければ、どちらが強いのか、決められないので、戦うことを、前提にしています。
「武道」は、あくまでも、身を守ることが目的です。
なるべく戦わずに、もめ事を回避するのが、最優先ですが、それができない場合だけ、
「相手を、戦闘不能にして、自分は、生き残る」
ということです。
ただ、日本の場合は、古くから、武道精神があるので、海外から格闘技が入ってきても、その格闘技の練習中に、武道的な精神論が、説かれることが、多いみたいです。
あと、「柔道」や「合気道」などの「武道」というのは、「茶道」や「華道」のように「道」という文字が、入っていることからも、
「一生かけて追求していく」
というニュアンスが強く、肉体的な強さは、手段で、精神修養の方を、目的にしていることが、多いと思います。
私は、18歳から23歳くらいまで、約5年間、地元の沖縄で、「空手」を、やっていました。
沖縄の人は、おそらく、全国で、一番強さに対する憧れが、強いかもしれません。
沖縄は、小さい島だったので、昔から、周辺からの脅威に、さらされていたために、自然に、強くなる必要が、あったのだと思います。
心の優しい人が、多いというイメージがありますが、皆、心の芯は、とっても強い人が、多いです。
空手の歴史を、簡単に、説明すると、もともとは、沖縄古来の武術「手(ティ)」と中国伝来の「拳法」が、融合して体系化されたのが、沖縄空手の原型という説が、有力みたいです。
沖縄で、さらに、空手が、ひろまった契機は、江戸時代に、当時、沖縄を、支配していた薩摩藩が、「刀狩」をやって、沖縄の人たちから、刀などの武器を、取り上げたのが、キッカケみたいです。
そのために、沖縄の人たちは、武器を持たずに、護身をはかる技として、空手術を身につけたようです。
私が、沖縄で通っていた道場では、素晴らしい道場でした。
何度か、紹介しましたが、私の母方の曽祖父が、設立した流派の道場でした。
「剛柔流」という流派です。
曽祖父は、宮城長順先生といって、沖縄の武道界では、大変有名な方です。
30年くらい前に、世界的に、大ヒットした映画、「ベストキッド」で、沖縄出身の空手家、「ミスター・ミヤギ」が、登場しますが、あのモデルになった人物だと言えば、わかる人も、多いと思います。
あの映画のおかげで、先祖が、世界的に有名になって、嬉しいです。
その道場では、肉体的な鍛錬や空手の技も、学びましたが、礼儀作法から、武道の心構え、そして、生き方まで、いろいろ教えていただきました。
この道場は、あまり強さというものに、こだわらない人が、多かったような気がします。
だからといって、弱いわけではなく、型の世界チャンピオンなども、在籍していました。
一般的に、「組み手」が、重視されて、「型」を、軽く見る人も、多いのですが、一度だけ、この型の世界チャンピオンの型と、組み手を、やったことがあるのですが、この方が、不思議な技を、使ったのです。
道着の袖を、ふらりと、揺らしたのですが、急に視界から、姿が、消えたのです。
「あっ!」
と声をあげたら、その人の拳が、目の前で、止まっていました。
目の錯覚を利用して、相手の視界の外に入り、そこから、突くという技でした。
「この技は、型の動きの中に、隠れているんだよ」
と、ニコニコしながら、教えてくれました。
あの妙な動きの「型」の中に、こんな恐ろしい殺人技が、入っているというのに、驚きました。
この技は、組み手の試合では、使えないかもしれません。
おそらく、簡単に、一発で、相手を倒すと思います。
あれを、いきなりやられたら、防ぎようがないです。
この方は、警察官でもあったのですが、こういう方が、警察の仕事をやっていると思ったら、沖縄の社会って、実は、凄いのかもしれないと思いました。
これだけ凄い技を、もっている方も、大勢いたのですが、正月に、この道場の大先輩である、ある年配の型が、年始の挨拶のスピーチで、話した言葉が、今でも、忘れられません。
「皆さん、この道場で、精神修養してから、ぜひ、立派な社会人になってください。立派な空手家ではなく、立派な社会人です。どんなに、空手が、強くなっても、職場などで、周囲から、嫌われるような人には、ならないでください」
続けて、
「あの人が、あんなに素晴らしいのは、空手をやっているからだ。空手をやっているから、素晴らしいのだと、職場などで、そう思われるような立派な社会人になるために、この道場で、これからも、空手を、学び続けてください」
こう言いました。
素晴らしい考え方だと思いました。
どんなに、格闘技や武道が、強くなっても、家庭や職場で、暴力を振るって、周囲から嫌われるような人は、ダメなのです。
肉体的な強さ以上に、やはり、精神的な強さが、大切なのです。
そして、その「強さ」は、「優しさ」を、伴っていないといけないのです。
格闘技や武道を、学ぶ時には、道場や指導者は、強さだけでなく、優しさも、基準に、選んだほうがいいと思います。
強さの追究だけでは、やはり、長続きしないのです。
冒頭のマンガ、「拳児」は、私の大好きな作品ですが、「強さ」を、手段にして、「優しさ」を、身につけ、皆と仲良くすることを、目的にする。
これが、「武道の精神」だと思います。
沖縄の空手も、江戸時代くらいまでは、戦争や喧嘩の道具として、使われたみたいです。
空手の技を使った、殺しあいも、あったようです。
しかし、現代は、平和な法治国家になっていて、空手の殺人技など、まず、使うことはないと思います。
それで、いいのです。
「空手」は、現代では、心身を鍛える、「武道」としても、評価されていますが、いざという時の「護身術」でもあります。
美しくなりたいという女性のための「ダイエット」の効果もあります。
さらに、いろいろなお祭りやイベントなどでは、「伝統芸能」として、その技を、見せることもあります。
私なども、アメリカに住んでいた頃、昔覚えた、空手の「型」を、アメリカ人たちに、見せたら、パーティーなどで、とても喜んでもらった思い出があります。
沖縄で、ある結婚式の披露宴に、参加した時、余興で、「空手」の演武がありました。
型などを、披露した後に、「瓦割り」を、やったのですが、
その空手家が、手刀で、何回叩いても、一枚も、割れないので、会場が、ザワザワした後に、
「いやー、お二人の愛の力が、強すぎて、今日は、瓦が、割れないみたいです!」
と言って、会場から、笑いと拍手を、もらっていました。
もちろん、これは、演出で、本当は、簡単に割れるのですが、こうやって、その場を、盛り上げるという「技」は、凄いと思いました。(笑)
江戸時代に、空手の技で、殺しあった人たちは、数百年後の未来では、まさか、結婚式の余興で、こういう形で、空手が、楽しまれるようになるとは、予想もしなかったと思います。
ということは、今、世界中で、使われている軍隊の武器や兵器も、未来の世界においては、皆を、和ませたり、楽しませたりするような何かの余興として、使われるようになるかもしれないということです。
本物の「武道の精神」というのは、周囲の全ての人を、幸せにするものだと思います。
PS 私が、通っていた沖縄の空手道場です。
沖縄に、観光に行ったら、ぜひ、空手道場を、訪れてみてください。
沖縄の違った魅力が、再発見できますよ。
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拳児:「うん! なりたい !」
次郎さん:「なってどうする?」
拳児:「みんなと、仲良くするんだ。そのためには、男は、強くなくちゃいけないって、じいっちゃん言ってたよ」
次郎さん:「そいつはいい。面白いじいちゃんだな」
拳児:「うん!」
小学一年生の拳児とテキ屋で喧嘩の達人の次郎さんの会話
マンガ「拳児」より
年末に、フジテレビ系列で、放映されていた、「ジャイアントキリング3 ~ スポーツマン腕相撲世界一決定戦」を、ご覧になった方も、多いと思います。
私自身、20代~30代にかけて、力の競技に、夢中になっていた時期があります。
アームレスリングも、ずいぶんやりました。
だから、この番組の面白さは、よくわかりました。
あまり、専門的になりすぎても、一般の方は、よくわからないと思うので、なるべく簡単に、説明しますね。
まず、この番組の趣旨である、
「誰が、腕相撲世界一なのか?」
ですが、厳密に言うと、この番組では、それは、わかりません。
こういう議論の場合、科学的に考えなくてはいけないからです。
何かを比較する場合、同じくらいの身長、同じくらいの体重、同じくらいの年齢、同じくらいの競技生活など、条件を合わせないと、本当の比較にならないのです。
極端なことを言うと、身長2メートルの人と、身長1メートルの人では、明らかに、ハンデがあります。
また、体重200キロの人と、体重50キロの人でも、ハンデが、ありすぎます。
同じ体格だったとしても、20歳の人と100歳の人でも、ハンデが、大きすぎます。
さらに、同じ格闘技でも、その道30年のベテランと、入門して3日の新人では、これも、ハンデが、ありすぎます。
特に、筋力が、勝敗に大きく影響するような競技は、体重が、大きく関係してきます。
なぜなら、筋力は、筋肉の量に、ある程度比例するからです。
重量挙げ、レスリング、ボクシングなどは、体重制が、採用されていますね。
それに対して、マラソンなどは、そういう制度は、ありません。
これは、持久力は、筋肉の量には、あまり関係ないからだそうです。
だから、本来ならば、こういう条件を、合わせないといけないのですが、まあ、この番組は、バラエティなので、そこまで、厳密にやる必要は、なかったのだと思います。
盛り上がって、楽しければいいのです。
専門的な話をすると、全ての格闘技やスポーツなどは、「特異性」という性質があります。
「特異性」
これは、辞書によると、
「事物にそなわっている特殊な性質。特殊性」
と書かれています。
簡単に言うと、
「何かをやった場合、そのやったことしか、効果は、上がらない」
ということです。
当たり前のことですが、水泳をやったら、水泳がうまくなるのです。
水泳をやったからといって、短距離がはやくなることは、ありません。
マラソンを走ったら、マラソンが、はやくなるのです。
マラソンをやっても、体操がうまくなることは、ありません。
バレーボールをやったら、バレーボールが、うまくなります。
バレーボールをやっても、ゴルフは、上達しません。
上記のように、スポーツだと、わかりやすりのですが、これが、格闘技や武道になると、混乱したり、錯覚する人が、多くなります。
相撲の稽古をすると、相撲だけが、強くなるのです。
相撲をやっても、ボクシングは、強くなりません。
レスリングの練習をすれば、レスリングだけが、強くなります。
レスリングをやっても、空手は、強くならないのです。
柔道をやっても、柔道しか、強くなりません。
柔道をやっても、キックボクシングが、強くなることはないのです。
ある程度は、関係あるのですが、自分の専門分野以外は、トレーニングしても、あまり関係ないのです。
これらのことを、全部まとめてみると、この番組での趣旨、「腕相撲の強さ」というのは、スポーツや格闘技の実力には、実は、あまり関係していないということが、わかると思います。
相撲をやっても、腕相撲は、強くならないのです。
ハンドボールをやっても、腕相撲は、強くなりません。
プロレスをやっても、腕相撲は、強くならないのです。
では、何をやったら、腕相撲が強くなるかというと、それは…
腕相撲を、やることです。
この番組では、腕相撲の選手、いわゆる、アームレスラーは、出場してませんでしたね。
もし、出場していたら、他の競技の選手が、まったく歯が立たずに、番組が、しらけるからです。
おそらく、上位の全ての選手が、アームレスラーで、独占されるでしょう。
そのくらい、差があるのです。
これは、逆も真なりで、
腕相撲をやったら、腕相撲しか、強くなれないのです。
アームレスラーが、相撲をとろうと、土俵に上がっても、力士たちに、まったく歯が立ちません。
同じように、ボクシングのリングに上がっても、ボクサーに、すぐにノックアウトされます。
水泳をやっても、はやく泳げるわけでもないし、もちろん、マラソンが、はやいわけでもありません。
腕相撲の選手は、腕相撲だけが、強いのです。
たまに、腕相撲の選手でも、他の格闘技、ボクシングやレスリングが、強い人もいますが、それは、その人が、ボクシングやレンリングの経験を、やっていたという場合が多いです。
この番組で、もしも、全ての出場選手を、同じ条件にして、腕相撲で、戦わせたら、どうなっていたでしょうね?
私は、おそらく、ヒュードルが、一番強かったのではないかと思っています。
「ロシアの皇帝」や「人類最強」という称号は、伊達ではないと思います。
「人類最強のヒョードル 対 現役横綱の白鵬」
というカードが、一番印象に残っています。
現役の横綱が、あっさり負けたという事実に、日本中が、衝撃を受けたと思います。
私も、もう少し接戦になると思っていました。
これは、白鵬が、弱いのではなく、ヒュードルが、強すぎるのです。
ヒュードルは、私が、いつも通っているトレーニングジムで、一度だけ、ロッカールームで、会ったことがあります。
このジムは、プロの格闘技の選手たちが、たくさん通っているのですが、他の格闘家たちが、強さのオーラを、バンバン出して、
「俺は、強いんだぞー!」
とアピールしているのに対して、ヒュードルは、まったく強さのオーラを、感じなかったので、印象に残っているのです。
そこにいるのかいないのかも、わからないほど、存在感のない人でした。
考えてみれば、これは、凄いことです。
存在感を、感じさせないということは、暗殺などの仕事に、向いているということです。
もちろん、ヒュードルが、こういう仕事をやることはないと思いますが、もしも、戦場だったら、こういうタイプが、一番怖いのです。
音もなく近づき、音もなく、相手を倒すという技術も、おそらく、ヒュードルは、知っていると思います。
これは、格闘家というよりは、武道家の姿勢かもしれません。
ここで、格闘技と武道について、もう少し書いてみますね。
二つの単語は、似ているようで、ちょっと違います。
「格闘技」と「武道」の明確な違いは、「攻撃」を、前提にしているか、「護身」を、前提にしているかという目的の違いだと思います。
「格闘技」は、決められたルールの中で、お互いの戦闘技量を、競い合う競技です。
攻撃をしなければ、どちらが強いのか、決められないので、戦うことを、前提にしています。
「武道」は、あくまでも、身を守ることが目的です。
なるべく戦わずに、もめ事を回避するのが、最優先ですが、それができない場合だけ、
「相手を、戦闘不能にして、自分は、生き残る」
ということです。
ただ、日本の場合は、古くから、武道精神があるので、海外から格闘技が入ってきても、その格闘技の練習中に、武道的な精神論が、説かれることが、多いみたいです。
あと、「柔道」や「合気道」などの「武道」というのは、「茶道」や「華道」のように「道」という文字が、入っていることからも、
「一生かけて追求していく」
というニュアンスが強く、肉体的な強さは、手段で、精神修養の方を、目的にしていることが、多いと思います。
私は、18歳から23歳くらいまで、約5年間、地元の沖縄で、「空手」を、やっていました。
沖縄の人は、おそらく、全国で、一番強さに対する憧れが、強いかもしれません。
沖縄は、小さい島だったので、昔から、周辺からの脅威に、さらされていたために、自然に、強くなる必要が、あったのだと思います。
心の優しい人が、多いというイメージがありますが、皆、心の芯は、とっても強い人が、多いです。
空手の歴史を、簡単に、説明すると、もともとは、沖縄古来の武術「手(ティ)」と中国伝来の「拳法」が、融合して体系化されたのが、沖縄空手の原型という説が、有力みたいです。
沖縄で、さらに、空手が、ひろまった契機は、江戸時代に、当時、沖縄を、支配していた薩摩藩が、「刀狩」をやって、沖縄の人たちから、刀などの武器を、取り上げたのが、キッカケみたいです。
そのために、沖縄の人たちは、武器を持たずに、護身をはかる技として、空手術を身につけたようです。
私が、沖縄で通っていた道場では、素晴らしい道場でした。
何度か、紹介しましたが、私の母方の曽祖父が、設立した流派の道場でした。
「剛柔流」という流派です。
曽祖父は、宮城長順先生といって、沖縄の武道界では、大変有名な方です。
30年くらい前に、世界的に、大ヒットした映画、「ベストキッド」で、沖縄出身の空手家、「ミスター・ミヤギ」が、登場しますが、あのモデルになった人物だと言えば、わかる人も、多いと思います。
あの映画のおかげで、先祖が、世界的に有名になって、嬉しいです。
その道場では、肉体的な鍛錬や空手の技も、学びましたが、礼儀作法から、武道の心構え、そして、生き方まで、いろいろ教えていただきました。
この道場は、あまり強さというものに、こだわらない人が、多かったような気がします。
だからといって、弱いわけではなく、型の世界チャンピオンなども、在籍していました。
一般的に、「組み手」が、重視されて、「型」を、軽く見る人も、多いのですが、一度だけ、この型の世界チャンピオンの型と、組み手を、やったことがあるのですが、この方が、不思議な技を、使ったのです。
道着の袖を、ふらりと、揺らしたのですが、急に視界から、姿が、消えたのです。
「あっ!」
と声をあげたら、その人の拳が、目の前で、止まっていました。
目の錯覚を利用して、相手の視界の外に入り、そこから、突くという技でした。
「この技は、型の動きの中に、隠れているんだよ」
と、ニコニコしながら、教えてくれました。
あの妙な動きの「型」の中に、こんな恐ろしい殺人技が、入っているというのに、驚きました。
この技は、組み手の試合では、使えないかもしれません。
おそらく、簡単に、一発で、相手を倒すと思います。
あれを、いきなりやられたら、防ぎようがないです。
この方は、警察官でもあったのですが、こういう方が、警察の仕事をやっていると思ったら、沖縄の社会って、実は、凄いのかもしれないと思いました。
これだけ凄い技を、もっている方も、大勢いたのですが、正月に、この道場の大先輩である、ある年配の型が、年始の挨拶のスピーチで、話した言葉が、今でも、忘れられません。
「皆さん、この道場で、精神修養してから、ぜひ、立派な社会人になってください。立派な空手家ではなく、立派な社会人です。どんなに、空手が、強くなっても、職場などで、周囲から、嫌われるような人には、ならないでください」
続けて、
「あの人が、あんなに素晴らしいのは、空手をやっているからだ。空手をやっているから、素晴らしいのだと、職場などで、そう思われるような立派な社会人になるために、この道場で、これからも、空手を、学び続けてください」
こう言いました。
素晴らしい考え方だと思いました。
どんなに、格闘技や武道が、強くなっても、家庭や職場で、暴力を振るって、周囲から嫌われるような人は、ダメなのです。
肉体的な強さ以上に、やはり、精神的な強さが、大切なのです。
そして、その「強さ」は、「優しさ」を、伴っていないといけないのです。
格闘技や武道を、学ぶ時には、道場や指導者は、強さだけでなく、優しさも、基準に、選んだほうがいいと思います。
強さの追究だけでは、やはり、長続きしないのです。
冒頭のマンガ、「拳児」は、私の大好きな作品ですが、「強さ」を、手段にして、「優しさ」を、身につけ、皆と仲良くすることを、目的にする。
これが、「武道の精神」だと思います。
沖縄の空手も、江戸時代くらいまでは、戦争や喧嘩の道具として、使われたみたいです。
空手の技を使った、殺しあいも、あったようです。
しかし、現代は、平和な法治国家になっていて、空手の殺人技など、まず、使うことはないと思います。
それで、いいのです。
「空手」は、現代では、心身を鍛える、「武道」としても、評価されていますが、いざという時の「護身術」でもあります。
美しくなりたいという女性のための「ダイエット」の効果もあります。
さらに、いろいろなお祭りやイベントなどでは、「伝統芸能」として、その技を、見せることもあります。
私なども、アメリカに住んでいた頃、昔覚えた、空手の「型」を、アメリカ人たちに、見せたら、パーティーなどで、とても喜んでもらった思い出があります。
沖縄で、ある結婚式の披露宴に、参加した時、余興で、「空手」の演武がありました。
型などを、披露した後に、「瓦割り」を、やったのですが、
その空手家が、手刀で、何回叩いても、一枚も、割れないので、会場が、ザワザワした後に、
「いやー、お二人の愛の力が、強すぎて、今日は、瓦が、割れないみたいです!」
と言って、会場から、笑いと拍手を、もらっていました。
もちろん、これは、演出で、本当は、簡単に割れるのですが、こうやって、その場を、盛り上げるという「技」は、凄いと思いました。(笑)
江戸時代に、空手の技で、殺しあった人たちは、数百年後の未来では、まさか、結婚式の余興で、こういう形で、空手が、楽しまれるようになるとは、予想もしなかったと思います。
ということは、今、世界中で、使われている軍隊の武器や兵器も、未来の世界においては、皆を、和ませたり、楽しませたりするような何かの余興として、使われるようになるかもしれないということです。
本物の「武道の精神」というのは、周囲の全ての人を、幸せにするものだと思います。
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