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立派

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今年の大晦日は、久しぶりに、格闘技のイベントが放映されるそうですね。

今から楽しみです。




先日、Aさんという男性と、夜中まで語り明かしました。

Aさんは、精神世界だけでなく、筋トレ、格闘技、武道など、私と共通の話題が多いので、話していて、最高に楽しい友人の一人です。

いつものように、格闘技や武道の話題で、盛り上がりました。

その中でも、「空手」の話で、いろいろな意見交換をしました。



このブログやメルマガの読者は、格闘技や武道に詳しくない方も多いと思うので、ちょっと説明しますね。


私は、「伝統派」と呼ばれている沖縄の空手をやった経験があり、Aさんは、「実戦派」と呼ばれている空手を、やっていました。

現在の空手界のことは、よく知りませんが、30年くらい前に、私が、空手をやっていた頃は、前者は、「寸止め」と呼ばれ、後者は、「フルコンタクト」と、呼ばれていました。

前者は、組み手において、実際に当てないので、そう呼ばれていたのです。

後者は、同じく、組み手において、急所以外であれば、当ててもいいので、そう呼ばれていました。

他にも、剣道のように、防具を付けて、組み手をする流派もありました。



まとめると、当時の空手界は、以下の3つのグループに、大きく分かれていたのです。

現在のことは、よくわかないので、あくまでも、30年前の状況を、個人的な主観で、思いっきり簡単に分けてみました。

実際には、もっと複雑なのですが、話を簡潔にまとめるために、シンプルにまとめてあります。



○「伝統派」

「寸止め」と言われていて、「組み手」においては、当てる直前で止めるルールでした。

世界的に見れば、こちらの空手のほうが、広く普及していたかもしれません。

広く普及していて、比較的安全なのですが、組み手においては、勝敗がわかりにくいという欠点があったと思います。

「型」も重視してたので、年齢に関係なく、年配の方でも、楽しく稽古している姿が、多く見られました。






○「実戦派」

「フルコンタクト」と言われていて、「組み手」においては、顔面や急所は殴れないけど、それ以外は、殴れて、蹴りは、顔面もOKというルールが、主流でした。

マンガや映画の影響もあって、日本国内では、こちらの空手のほうが、有名だったと思います。

広く普及していて、組み手においても、勝敗がわかりやすかったので、若者は、こちらのルールを好んだような気がします。

ただし、防具もない状態で、素手で殴ったり、蹴ったりするので、危険だという意見も多かったようです。

比較的、体力のある若者が、すぐに強くなる傾向が、あったような気がします。

「型」は、あまり重視していなかったと思います。






○「スポーツ派」

「防具付き空手」などとも、言われていて、「組み手」においては、顔面には、セーフティーガードと呼ばれるヘルメットのようなものを装着したり、剣道のお面のようなものをつけて、やったりしていました。

安全面にも、とても考慮されていて、全力で突いたり、蹴ったりもできるし、勝敗もわかりやすく、若者にも、人気がありました。

ただし、普及率でいえば、海外でも国内でも、いまひとつだったような気がします。

こちらも、わりと体力のある若者向けだったような気もします。

ただし、こちらも、「型」は、あまり重視してなかったような気がします。







Aさんから、最近の日本の空手界の現状を、教えてもらったのですが、数年前から、この3つのグループが、合併したり、融合したりしているようです。

一緒に大会を開催したり、交流試合をしたりして、友好的になっているようなのです。

30年くらいの思い出しかない、私には、とても新鮮な情報でした。


「どうして、こういう流れになったのだろうか?」

と、二人で、いろいろ考えたのですが、理由の一つに、「東京オリンピック」の開催が、関係しているという結論になりました。

「オリンピックに向けて、いろいろな団体が、垣根を超えて、団結しようとしているんじゃないかな?」

というのが、Aさんの意見でした。


彼が続けて、

「でも、オリンピックが終わったら、また、バラバラになるんじゃないですかね?」

と言ったので、二人で、笑ってしまいました。

なぜ、笑ったのかというと、昔からの「空手」の業界のことを、よく知っているからです。

二人とも、現在の状況は、本当にわからないのですが、空手界は、ずーっと、派閥争いが、酷かったのです。

おそらく、上記の3つのグループも、それぞれ、その中でも、たくさんの派閥に、枝分けれしていたと思います。




そういえば、昔、何かの雑誌で、読んだことがあります。


「柔道」が、オリンピック種目になっているのを見習って、「空手」も、その仲間入りをしよう試みたことが、過去に何度もあったそうです。

すると、上記の3つのグループが、それぞれが、別々に、オリンピック委員会に、アプローチを、かけたところ、3つとも、門前払いを、くらったそうです。


その理由が面白く、オリンピック種目になるには、「3つの条件」が、必要だったそうです。


その3つとは…


○勝敗のルールが、わかりやすいこと。

○安全であること。

○広く普及していること。


以上だったそうです。


もうお気づきだと思いますが、それぞれが、見事に、一つづつ欠けていたのです。


○「伝統派」は、広く普及していて、安全ですが、勝敗のルールが、わかりにくいということで、ダメだったそうです。

○「実戦派」は、広く普及していて、勝敗のルールも、わかりやすいのですが、安全ではないということで、ダメだったそうです。

○「スポーツ派」は、勝敗のルールも、わかりやすく、安全ですが、広く普及していないということで、ダメだったそうです。



さらに、面白いのは、そうやって、日本の空手界が、国内で、派閥争いや勢力争いをしている隙に、さらっと割って入ってきたのが、「テコンドー」だったそうです。

韓国の「テコンドー」は、一説によると、最初から、「オリンピック種目」という目的で、考案され、つくられたスポーツだそうです。


上記のオリンピック種目になるための「3つの条件」を、最初から入れ込んで、つくられたそうです。

だから、この「テコンドー」というスポーツは、「勝敗のルールが、わかりやすいこと」、「安全であること」、「広く普及していること」という3つの条件を充たすために、最初から、つくられ、動いていたそうです。

日本の空手界が、派閥にこだわっている間に、韓国のテコンドーに、漁夫の利を、持っていかれてしまったのです。







この話を読んで、どう思いましたか?



日本の武道家の偉い先生がたの中には、

「武道を、オリンピック種目などにする必要はない。そんなことをすれば、商業主義が、武道界に蔓延して、武道の精神が失われる」

という意見もあったそうです。


しかし、時代は、大きく変わってきています。

空手をやっている若者は、やはり、柔道の選手のように、オリンピックの晴れ舞台にも、出場したいのではないでしょうか?

この夢は、もしかたら、来年の夏に、叶うかもしれませんが、まだわかりません。

最終選考会を待つばかりです。




ここで、私が言いたいのは、

「人間がつくる組織というものは、必ず派閥というものはできる」

ということです。

これは、人間の特性や性質のようなもので、ある意味、しょうがないのかもしれません。

ある程度は、しょうがないのですが、ただし、

「これが、あまりにも、行き過ぎると、本末転倒になってしまう」

ということです。



空手をやっていた頃に、いつも、思ったのは、

「どうして、同じ空手をやっている仲間同士、もっと仲良くできないのだろうか?」

ということでした。


他の道場との交流試合の時に、いつもは、やさしい先輩が、

「いいか! 別の道場の選手は、顔面を殴ってもいいんだ! 2回で失格ということは、1回は、殴ってもいいということだ!」

と、鬼のような形相で言った発言が、今でも、記憶に残っています。

ショックでした…

「武道を志す人の発言ではないな…」

こう思いました。




武道を志す人たちは、いわゆる、「理想主義」の人たちが、多いと思います。

この主義の人たちは、「正義」の旗を掲げる人が、多いのです。

行きつく先は、

「誰の意見が、正しくて、誰の意見が、間違っているのか?」

こういう論争になりやすいみたいです。

こういう思考パターンが、「分裂」を生むのです。



「立派」

という漢字がありますね。

これは、

「派閥を立てる」

という意味も含んでいるそうです。

つまり、

「誰かが、立派なことを言うと、その人を中心にした派閥が立つ」

ということみたいです。

漢字って、本当によく考えられていますね。




立派なことを言うことは、もちろんいいことですが、その発言に、あまりにも執着したり、他者に強制したりすると、その発言者の賛同者を含めて、派閥ができます。

そして、それが、行き過ぎると、自分の仲間以外の者に対して、排他的になりやすくなるということです。

そういう排他的な派閥が、たくさん生まれ、それぞれが争うことに、無駄なエネルギーを費やすことになり、本末転倒という事態に陥るのです。


「理想主義」→「立派な発言」→「派閥の誕生」→「仲間主義」→「排他主義」→「派閥間の対立」


こうなりやすいということです。




日本の「空手」をつくった人たちは、「理想主義」の人が、多かったのかもしれません。

それに対して、韓国の「テコンドー」の組織をつくった人たちは、もしかしたら、「現実主義」の人が、多かったのかもしれません。

現在でも、「テコンドーの」の組織のお偉いさんたちは、もしかしたら、「武道家」ではなく、「ビジネスマン」が、多いのかもしれません。




昔、ジョン・レノンの奥様で、平和活動家としても有名な、オノ・ヨーコさんが、こういう話をしています。

オノ・ヨーコさんの本、「今 あなたに知ってもらいたいこと」から、抜粋された文章だそうです。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



「自分も他人も受け入れる」



この社会は、今、戦争産業と平和産業とのふたつに、分かれています。

弾丸や戦車など、戦争をするために必要な武器を、作ったり、戦争が起こることで、お金もうけをすることが、戦争産業です。

戦争産業の人というのは、目的が、はっきりしています。

ものを破壊し、人を殺しても、自分たちが、世界を征服しよう、彼らの精神が、そこで、ぴたりと一致しています。

だから、その力は、ものすごく強い。


ところが、平和産業の人たちは、みんな理想主義者です。

つい、お互いを、批判し合う。

たとえば、

「どうやって平和を獲得するか」

という議題でも、長々とディスカッションします。

「あなた方の考えは、間違っている」

「こうしなきゃ、平和は、勝ち取れない」

というように、平和産業の人たちは、お互いに批判することに、時間を使って、戦争産業の人たちのように、意見を、ぴたりと一致させることが、なかなか、できません。

エネルギーを、会話や議論に、費やすばかりで、一致団結して目的に、向かっていくことができないのです。

それだから、平和産業の人は弱い。


平和に向かって、進むのなら、まずは、お互いを、理解しあうことです。

あなたと違った立場の人でも、その人は、あなたと同じ、平和を愛する人なのだということで、

「平和を、愛してくれて、どうもありがとう」

と、まず、受け入れてみてあげてください。


あなたのやっていることも、私がやっていることも、とにかく、私たちが、平和産業に参加しているだけで、ありがたい。

だから、人間として、お互いに、認め合う。

それから、愛し合う、尊敬し合う。

何も、特別な平和運動を、していない人でも、

「平和産業に、入っている」

というだけで、尊敬してあげる。

道を清掃している女の人でも、花屋さんでも、それは、平和産業の活動の一環なのです。

だから、その人も、その行為も愛し、尊敬していることを、伝えてあげてください。


そうやって、エネルギーを、互いに認め合い、愛し合うことに使えば、平和産業も、強くなれるのです。

「それだけじゃ、だめでしょ」

と、あなたは、言うかもしれません。

でも、それが、基本なのです。

ここから始めなければ、何も始まりません。



YOKO ONO



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



オノ・ヨーコさん、素晴らしいですね。


今回の話は、「空手」や「武道」の世界だけの話ではなく、「精神世界」の業界、そして、全ての業界にも、言えることかもしれませんね。





☆私の曽祖父が、空手の創始者の一人だったんですよね。

以前に書いたブログも、読んでくださいね。


http://ameblo.jp/tomaatlas21/entry-11351731433.html





PS 「空手」は、オリンピックを目指しているのであれば、いっそのこと、他の格闘技にはない、「型」の魅力を、重視してもいいかもしれません。

空手の型は、美しいですよ。

特に、女性の型は、カッコイイです。








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トーマ

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