精神世界の勉強をしていると、「光」だけではなく、どうしても、「闇」の部分も、学ぶことになります。
ここで、学び方が、大きく二つに分かれます。
なるべく、「光」だけに、フォーカスして、「闇」は、見ないようにする学び方と、「光」も「闇」も、同じくらい大切なものだとして、平等にフォーカスする学び方です。
私は、後者のほうです。
「光」も「闇」も、同じくらい大事だと思っています。
だから、ネガティブなことも、どんどん学んでいくという姿勢です。
その中でも、やはり、「悪」の問題は、根本から、解明する必要があると、常に考えています。
地球上のほとんどの動物には、「天敵」が、存在しています。
その存在のおかげで、どの動物も、ある程度頭数が、バランスよく整い、生態系のバランスが、保たれているという側面もあります。
しかし、人間には、具体的でわかりやすい天敵は、存在しないように見えます。
強いて言えば、たまに起こる天変地異などですが、やはり、人間にも、天敵は存在するのです。
それが、大昔から、世界中で信じられている「悪魔」の存在です。
「ほとんどの人間が、明るい光の場所よりも、暗い闇の場所を、恐れるのは、そこに、そういう存在を、感じとるからではないか?」
という説もあります。
このテーマを、文字から解明してみましょう。
「悪」という漢字は、「亜」という文字と、「心」という文字の組み合わせです。
この「亜」という文字は、象形文字で、昔の漬物などを、押すための石の形だという説や、竪穴式住居の土台を、掘り下げたくぼみを、表しているという説などがあるようです。
つまり、「亜」という文字は、
「抑圧された状態」
という意味らしいです。
「そして、その下に、「心」という文字が、ついています。
だから、「悪」という文字は、
「押しつぶされ歪んだ心」
「胸がつかえる嫌な気持ち」
などを、表しているそうです。
さらに、「亜」という文字の語源の中には、他にも、
「醜いもの」
「2番目のもの」
という意味もあるそうです。
これが、ずっと疑問でした。
最初のものは、なんとなくわかります。
「悪の意味は、歪んだ醜い心」
という意味になるからです。
でも、どうして、
「悪の意味は、2番目の心」
になるのかが、どうしてもわかりませんでした。
少し調べると、ちょっとわかりました。
スポーツなどの競技で、成績が発表され、1番から6番まで表彰された時、3番から6番の選手というのは、それほどまで、1番の選手に嫉妬しません。
最も1番の選手に嫉妬するのは、2番目の選手です。
この2番目の選手が、1番の選手に対して、もっとも、「嫉妬心」をもつことから、この意味が、きているのかと、推測しました。
「悪の心の大半は、嫉妬心である」
こういう意味だと、自分なりに解釈していたのです。
これも、あっていると思いますが、もっと、ドンピシャの解釈を知りたくて、いろいろ調べていたら、ある講演会で、面白い話を聴きました。
その講演会は、「いじめ」の話でした。
講師の先生は、
「いじめというのは、この世界から、完全になくすのは、難しいです。なぜなら、それは、本能的な部分も、大きいからです。本能的な部分というのは、わかりやすく言うと、人間以外の動物も、やる行為ということです」
と話しはじめました。
「例えば、アフリカのサバンナでは、ライオンが、シマウマを食べるのですが、この行為は、いじめではありません。どちらかというと、ただの捕食行為です。圧倒的に強い動物が、弱い動物を襲って食べる行為は、いじめではありません」
続けて、
「問題なのは、シマウマたちの群れの中での行為です。たとえば、こういう行動が、確認されています。ある日、1頭のシマウマが、足をケガして歩けなくなると、不思議なことに、たくさんのシマウマたちが、この1頭の周りに集まってくるのです。最初に観察した学者は、皆で、この1頭を、助けたり励ますために、集まっていると思ったそうですが、だんだん真相がわかってきて、驚愕したそうです」
それから、一呼吸おいて、
「周囲のシマウマたちは、なんと、保身のために集まっていたのです。つまり、ライオンが現れて、襲われそうになったとき、自分たちの集団の中に、明らかに弱ったシマウマが、1頭いたら、ライオンは、そのシマウマを、確実に襲うために、自分たちは、食べられないという安心のために、集まっていたのです」
こう言いました。
この話は、ショックでした。
「動物の世界って、なんて意地汚いんだ。野生の世界は、こんなに厳しくて過酷な世界だったのか…」
こう思いました。
テレビのバラエティ番組などで、放映されるような動物の世界は、かなり美化されているのです。
現実の世界は、こういう世界なのです。
この講師は、他の話もしました。
「シマウマのような哺乳類だけではありません。魚類の世界にも、いじめは存在します」
続けて、
「水槽の中で熱帯魚を飼うと、必ずケガをしたり、病気をしたりして、弱くなる魚が、1匹現れます。この時、よくよく観察すると、この1匹を真っ先に、しつこくいじめて殺すのは、その水槽の中で、下から2番目に、弱い魚なのです。この1番弱い魚を攻撃することで、自分が、周囲から攻撃されないようにしたり、ストレスを発散したりしているのです」
これを聴いて、また、ガーンと、ショックを受けました。
そういえば、中学生の頃、熱帯魚の飼育が、趣味で、エンゼルフィッシュを、飼っていましたが、そういうことが、よく水槽の中であったのを、思い出しました。
たしかに、1番弱くなった魚を、いじめるのは、下から2番目に弱い魚でした。
自然界においては、群れの中で、1番強いボスなどは、群れを守るために、他のボスと戦うことはあっても、弱い者いじめは、あまりやらないのです。
弱い者いじめをするのは、2番目に弱い者が多いのです。
それで、ようやく、
「悪の意味は、2番目の心」
という意味が、わかりました。
昔の人たちは、こういうことが、わかっていたのでしょう。
「2番目の心」とは、
「上から2番目の嫉妬心」
「下から2番目の保身」
この二つだということです。
特に、後者の「保身」というのは、「いじめ」などの行為の大きな部分を、占めているような気がします。
たとえば、世の中の景気が悪くなり、会社の中で、リストラなどが、囁かれるようになると、真っ先に、いじめのターゲットになるのは、その職場で1番弱い立場の人です。
そして、その人を、最もいじめるのは、その職場で、下から2番目に弱い立場の人であることが、多いのです。
政治家などの権力者のよる搾取も、間接的ないじめだと思いますが、直接いじめる人は、そのいじめられる人の次に弱い人であることが、多いということです。
2番目に弱い人が、1番弱い人を、怒鳴りつけたり、文句や悪口、陰口を言うことによって、
「自分は、弱くないんだぞー! 自分よりも、仕事のできない、もっとダメな奴が、ここにいるんだぞー!」
こういうアピールを、周囲の人たちにするのです。
2番目に弱い人の心の奥底には、
「自分が、1番弱い立場になって、いじめられるのが怖い…」
という不安や恐怖が、存在しているということです。
1番弱い人を、いじめることによって、その恐怖心を、解消しようとしているのです。
たしかに、こういうケースを、サラリーマン時代に、よく目撃しました。
自分自身が、学生時代から、しばしば、いじめを体験したり、そういう話を聴きながら、心を痛めてきましたが、だんだん、そのメカニズムの全貌が、ボンヤリですが、見えてきました。
「悪」という心の状態は、根底に、「嫉妬心」が、あることが多い。
さらに、もっと大きな部分を、「保身」が、占めていることも多い。
この二つは、どちらも、自然界ににもある、本能的なものである。
したがって、人間の社会の中で、教育や道徳などのよって、改善することは、難しいということです。
人間社会においては、まず、社会や世間からの圧力が、根本的な原因になります。
その圧力に、心が抑圧されると、その心の中に、「悪」が生まれるのです。
そして、さらに、その「悪」に、「魔」が差し込むと、人間は、「悪魔」になるのです。
大昔から、人々が恐れてきた「悪魔」という存在は、こういうメカニズムで、創りあげられるみたいです。
人間の心が、「悪魔」の状態になった時には、「光」も「闇」も、両方とも、それを治してくれます。
「光」は、「悪魔」を浄化します。
「闇」は、「悪魔」を癒してくれます。
太陽のような「光」は、「白日の下にさらす」という表現もあるように、厳しく、悪を追い払ってくれます。
一方、真夜中のような「闇」は、悪を、「やさしく包む」のです。
「光が正しくて、闇は間違い」
ではなくて、
「光は厳しくて、闇はやさしい」
のです。
心の中の悪を、光は、吹き飛ばしてくれますが、闇は、やさしく包み込んで、癒してくれます。
心が、本当に弱っている時って、暗闇のほうが、落ちつきますよね。
そんなかんじで、闇も、いいものなのです。
光も闇も、両方とも、人間の味方です。
ちょうど、太陽の光の日光浴も、健康にいいけど、月明かりの月光浴も、精神が落ちつくようなかんじです。
心が、抑圧されて、本当に苦しい時は、「陰」のエネルギーである「闇」に、癒されましょう。
それから、少し元気になってきたら、次は、「陽」のエネルギーである「光」で、浄化されましょう。
精神世界には、そのためのヒーリングのテクニックやグッズ、パワースポットが、たくさん紹介されています。
ぜひ、自分にあったやり方で、心の中の「悪魔」を、消し去ってください。
PS 2番目に弱い人は、常に、
「誰が、この組織の中で、1番弱いんだろう? その1番弱い奴を、いじめてやるぞ!」
こう思って、1番弱い奴を探しているのです。
その心の中に、「悪魔」が、生まれているのです。
☆以前に書いたエッセイ、「悪魔編」です。
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