「自分の意思とは関係なく、何か大きな力により、状況が変わること。また、偶然にしては、確率的に奇跡に近く、あまりにも一致しすぎていて、何か意味があるとしか解釈できない現象」
ということです。
例えば、電話をかけようとしたら、そのかけようとした友人から、電話がかかってきて、驚いたといった経験は、たくさんの人がしていると思います。
他にも、喫茶店で、「スマップ」の話をしていたら、有線放送で、「スマップ」の歌が流れてきたりと、いろいろな状況があります。
ユングは、「シンクロニシティ」の一例として、エミール・デシャンという詩人の体験談の例を、著書の中で、紹介しています。
デシャン氏は、中学生の頃、フォルジビュという人物と、当時珍しかった、プラム・プリンを食べたそうです。
それから、10年して、偶然入ったレストランで、プラム・プリンを見つけ、そこで、それを注文するのですが、そこで、偶然、フォルジビュという人物と、10年ぶりに再会したそうです。
それから、さらに長い年月がたち、プラム・プリンがでるというディナーパーティーがあったので、興味を惹かれ、出席したそうです。
そして、そのパーティーの主催者や参加者に、
「きっと、プラム・プリンがあるから、フォルジビュさんという名前の人物が、このパーティーに、出席しますよ」
と冗談を言いながら、自分とプラム・プリン、そして、フォルジビュという人物との関係を、話して笑っていたそうです。
すると、その時、そのパーティー会場に、一人の老人が現れ、「フォルジビュ」と名乗ったそうです。
その場にいた、全員が、声を失ったそうです。
プラム・プリンです。
このように、「シンクロシティ」は、世界中で、様々な学者によって、事例を集められ、考えられてきています。
しかし、これは、科学的な思考で、考えられるような話ではないようです。
単に、
「偶然だ!」
というだけでは、考えられない、何かがあるようです。
「シンクロ二シティ」は、30年ほど前から、生物学者の間でも、たくさん報告され、議論されているようです。
有名なのは、九州の幸島という島の話です。
ニホンザルの一匹が、サツマイモを洗って食べることを発見し、その島の仲間たちも、真似をするようになったそうですが、そのうち、海という障壁も乗り越えて、他の島のニホンザルたちも、なんの連絡もとっていないのに、皆が、サツマイモを洗って、食べるようになったそうです。
他にも、100年以上前は、「ニトログリセリン」という物質は、熱しようが凍らせようが、絶対に結晶化しなかったそうですが、20世紀の初頭、ある船が、ウイーンから、ロンドンに、ニトログリセリンを郵送中に、ビスケー湾において、運悪く、記録的な台風に遭遇したそうです。
その時、わずかの振動でも爆発するというのに、何故か、爆発しなかったそうです。
港に着いて、船員達が、樽を開けてみたら、その中には、それまでに見たこともない見事な「ニトログリセリンの結晶」が、できていたそうです。
そして、不思議なことに、その日を境にして、世界中の「ニトログリセリン」が、次々と結晶化していったそうです。
このように、一見無関係に隔絶さえた物質や生物、思想が、地球規模で、同時、同様の変化を起こすという現象は、歴史上、よくあったようです。
特に、歴史の変動期、節目には、よくこういうことが、起こるようです。
ユングという学者は、この現象に初めて着目し、これを、学問的に研究した学者だと思います。
面白い本を読んだので、紹介します。
大好きな秋山先生が、また、最近、新刊を出したみたいです。
〇「シンクロニシティ 意味ある偶然のパワー」 秋山眞人・布施泰和 著 1600円 成甲書房
この本は、「シンクロニシティ」という現象を、とても深く掘り下げた内容です。
しかも、とてもわかりやすいです。
私は、この本の中で一番印象に残ったのは、「100円玉」の話でした。
「シンクロというのは、道端に落ちている100円玉のようなものだ」
というのです。
しかも、その「100円玉」は、普段から、100個くらい落ちているのだそうです。
でも、ひたすら仕事に追われて、日常に忙殺されている人や、心ここにあらずで、過去に囚われ、その出来事を悔いてばかりいる人、それから、まだ起こってもいない、将来の心配ばかりする人、これらの人たちは、目の前に落ちている、「100円玉」に気がつく余裕はありません。
もしかしたら、1個くらいは、目に入るかもしれませんが、残りの99個は、見逃してしまうのです。
逆に、意識を今の自分に向けて、
「100円玉は、必ずあるはずだ!」
こう確信して歩いていれば、数十個の100円玉を、見つけることができるのです。
「シンクロ」というのも、これと同じだというのです。
「シンクロという現象は、必ず起きる!」
と確信して生きていれば、たくさんの現象に、気がつくことができるというのです。
そうなのです。
たまたま手にした本、何気なく入った店、思いがけない出会い、偶然手にした、切符やカード、他にも、言い間違い、ど忘れなど、これらに、意味があると感じることが、大切なのです。
「運命の歯車」という表現がありますが、「シンクロ」は、人と人、人とモノ、人と自然、そして、心と物質の溝を、絶妙のタイミングで、結びつけます。
それが起こるのは、人生の大切な局面だったりすることも、多いです。
その時に、その宇宙からのメッセージの意味を、しっかりと解釈することが大切みたいです。
そういうことに、気がつけるかどうかで、その後の人生の展開が、天と地ほど、違ってきたりするのです。
「宇宙は、意味で溢れていて、その意味ある偶然の一致が、この宇宙には、普遍的に存在する」
こう思って生きることが、人生を豊かにするのです。
「自分は、どれくらい真摯に、そして、真剣に、毎日を生きているのか?」
このバロメーターにもなるのが、「シンクロ」なのです。
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