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オリンピック

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以前にも、書きましたが、タイムリーな話題なので、再掲載させていただきます。



2020年のオリンピックの開催地が、東京に、決まったみたいですね。

これは、いろいろな角度から、様々な見方が、できると思いますが、私は、ポジティブに、解釈しようと思います。

素直に、このイベントを、喜びたいと思います。

テレビを見ていると、なんか、いきなり来年にも、開催しそうな祝賀ムードですが、冷静に考えたら、7年も先の話なんですよね。

これで、これから先の7年間、日本、特に、東京は、世界中から、厳しい監視の目で、安全面などを、見られることになります。

これは、東京に住む人たちにとっては、プラスに働くことが、多いと思います。

日本の政府も、あまりいい加減なことは、できなくなるからです。




数年前に、「オリンピック」の歴史について、調べてみました。

近代オリンピックの生みの親は、フランス人のクーベルタン男爵だと、言われているそうです。

彼は、どうして、オリンピックを、はじめようとしたのでしょうか? 

クーベルタン男爵の育った19世紀には、産業革命とよばれる、とても大きな社会の変化が、ヨーロッパ各地で進んでいたようです。

その変化のなかで、ヨーロッパ各地で、戦争が起きていて、クーベルタン男爵のフランスも、プロイセン(今のドイツ)と戦争をし、負けたそうです。

その後、フランスでは、プロイセンへの復讐を、あおるような教育が、行われていて、それに疑問を、思ったクーベルタン男爵は、スポーツによる青少年の教育と、平和な世界を、築くための手段として、古代オリンピックと「エケケイリア」に注目し、近代オリンピックの開催に、尽力したそうです。

この古代オリンピックの「エケケイリア」というものが、オリンピックの本質を解く、鍵になると思います。



古代オリンピックは、紀元前8世紀に、ギリシャのオリンピアという場所で、ギリシャ神話の最高神、「ゼウス」に捧げるお祭りとして、スタートしたそうです。

そこで、「エケケイリア」という言葉が、生まれたのですが、「エケケイリア」というのは、古代ギリシア語で、「剣の柄に、伸ばした手を、止める」とか「手をつなぐ」いう意味だそうです。

簡単に、訳すると、「オリンピック停戦」という意味だそうです。

古代ギリシア人は、ギリシア語を使い、オリンポスの神々を、たたえ、ポリスとよばれる都市国家に、属する自分たちを、「ヘレネス」とよんでいたそうです。

一方で、他の言葉を使っていたり、オリンポスの神々を信じない他民族を、「バルバロイ」とよんで区別していたそうです。

「バルバロイ」の人たちは、主に、「奴隷」のような仕事を、させられていたそうです。

この「バルバロイ」というのは、「聞きづらい言葉を、話す者・訳の分からない言葉を、話す者」という意味で、由来としては、ギリシア人には、異民族の言葉は「バルバルバル」と聞こえたからと、いわれているそうです。

ちなみに、これは、英語の「barbarian(野蛮人)」の語源でも、あるそうです。

「バーバリアン」って、こういう意味だったのですね。

当時、同じヘレネスであっても、ポリスが違えば、ポリス同士で戦争することが、あったようです。

だけど、オリンポスの神々を、たたえるお祭りの最中に、戦争するのは、神様に対する、大変な無礼として、「エケケイリア」、つまり、「オリンピック停戦」が生まれたのだそうです。

つまり、

「神々をたたえるお祭りの最中くらいは、平和で、礼儀正しくしましょうよ。お互い、いろいろ大変ですけど、これくらいのマナーは、人間として、最低限、守りましょうよ」

という約束だったそうです。

この期間には、武力闘争は、もちろん、法廷闘争や死刑も、停止になり、価値観の違う者同士が、話し合うことができる、唯一の期間だったそうです。

一番長い時で、3か月続いたことも、あったようです。

この「エケケイリア(オリンピック停戦)」という約束を、破った場合、オリンポスの神々を、信じている、「ヘレネス」とみなされなくなり、交易を中止させたり、ほかのヘレネスの祭典にも、参加できなくなるなど、バルバロイと同じ扱いをされる制裁を、受けさせられたそうです。

奴隷の身分に、されたということです。

「こんな最低限のマナーも、守れないような者は、人間ではない。野蛮人だ!」

と思われた、ということです。

この制裁は、大変厳しく、有名なアレキサンダー大王でも、これを、破ったときに、制裁を、免れることが、できなかったそうです。




まとめると、「オリンピック」というのは、現在では、「平和の祭典」だと、言われていますが、古代オリンピックまで、歴史をさかのぼると、もともとは、違っていたということです。

簡単にいうと、オリンピックによって、世の中を、一時的な停戦状態にする。

そして、そのときに、

「誰が、この停戦という決まりを、破るのか?」

を、見極めるための儀式だった、ということです。

「誰が、野蛮人なのか?」

これが、メインの目的だったということです。

古代の人たちの知恵って、凄いですね。




現代では、1993年くらいから、「五輪停戦決議」みたいな感じで、国連などでも、取り上げられているそうです。

ただ、古代ギリシャでも、そうだったように、現代でも、法的拘束力を、もたないものなのだそうです。

これを、破ったときの具体的な罰則や罰金などが、ないということですね。

だから、逆に、凄い力を持っているし、怖いのです。

これを、破った国は、罰則がない分、もっと、恐ろしい、「社会的な抹殺」という厳しい判決が、裁判所ではなく、「世間」から、下されるということです。

「あなたのような最低のバーバリアン(野蛮人)とは、今後一切、お付き合いは、しません」

と世間の人、全員を、敵に回すということです。

ちなみに、アテネオリンピックの時では、202の参加国のうち、191の国が、この「五輪停戦決議」の書類に、署名したそうですが、アメリカは、「テロ」などの理由に、最初から、この書類に、署名しなかったそうです。

「最初から、守れない決まりには、参加しません」

と言って、うまく逃げたのかもしれません。

この時は、11の国が、署名しなかったそうです。

あまり、知られていませんが、日本も、アメリカと一緒に、署名しなかったそうです。




適切な例えでは、ないかもしれませんが、自分が、サラリーマンの頃、よく経験したのですが、会社などで、懇親会を、居酒屋で、やったときなどに、上司が、

「今日は、無礼講だ! どんどん飲め!」

などと、言うことがありましたが、この「無礼講」というのは、実は、

「誰が、無礼講の飲み会で、無礼をやるのか? 無礼者は、誰なのか?」

を見極める儀式だったような気がします。

「品性」を、検査する目的で、やるということです。

だから、この時に、調子にのって、上司にタメ口をたたいたり、ふざけすぎたりすると、その後、なかなか出世できずに、冷や飯を、食わされたりすることになります。

無礼講のときに、どういう態度をとるのかが、テストされているということです。

「エケケイリア(オリンピックの停戦)」というのは、ちょうど、会社でいえば、この「無礼講」にあたるようなものかもしれません。




オリンピックでは、毎回、これが、試されているのです。

「誰が、バーバリアン(野蛮人)なのか? どの国が、無法者の集まりなのか?」

それを、あぶりだし、白日の下に、さらす儀式なのです。

「どの国が、信用できないのか? どの国が、信用できるのか? 誰が、嘘つきで、誰が、誠実なのか? どの政治家が、ダメなのか? どの政治家が、素晴らしいのか? どの企業が、エゴで動くのか? どの企業が、世の中のことを考えているのか?」

こういうことが、はっきりと、わかるのが、オリンピックだということです。

オリンピックに関わることで、信用を失うようなことをする国や組織、そして、人々は、オリンピックが、終わった後、長いこと復活できないような社会的な制裁を、世界全体から、受けることになるのです。




「オリンピック」という祭典は、

「裏の世界で、どういうことが、起こっているのか?」

ということを、探ったり、世界中の人たちに、知らせるためのイベントなのだそうです。

人間の歴史って、奥深いですね…。







1964年の東京オリンピック開会式の日に、ブルーインパルスが、スタジアム上空で、五輪マークを描いたそうですね。

2020年にも、これが、見られるかな?

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