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沖縄ルーツツアー 13 母の愛

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ここで、沖縄の米軍基地の問題にも、言及しておきましょう。




旅行中に、沖縄本島の嘉手納基地が、よく見える場所にも行ってきました。

「道の駅かでな」という所です。



建物の前では、「白龍」が、嘉手納基地のほうを睨み付けていました。


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記念撮影しました。


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建物の4階からは、基地内の飛行場が、良く見えます。


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嘉手納飛行場の航空写真です。

広いですねー!


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米軍基地などの社会問題は、いろいろな視点から、いろいろな解釈ができます。

そして、どの意見も正しいのです。


戦争については、今までにも、たくさん書いてきたので、今回は、詳しくは書きませんが、とにかく、戦場というのは、私たちが、想像しているよりも、遥かに悲惨だということは、強調しておきます。

体験者の話を聴くと、戦争は、肯定できるものではないということが、よくわかります。

話を聴いたり、写真や映像を見ても、胸が痛くなります。

現在の時点で、地球上から、すぐに戦争を無くすことは、容易ではないと思いますが、視点を広げることにより、もっと視野の大きい、解釈ができるようになったりすることは、可能だと思います。



以前にも、少しだけ触れましたが、もう一度書きますね。



中学生あたりの頃、数学の証明などで、二等辺三角形などの証明をする時に、その三角形だけでは、証明できないことでも、三角形の外側に、補助線を引くことによって、その証明が、容易にできたりするこが、ありましたね。

世の中の問題も、そういう作業をすると、わかりやすくなることも、あるのです。

「沖縄の米軍基地問題」という問題は、「沖縄」だけで考えると、わからないのです。

「日本」の中だけで考えても、まだよくわかりません。

それで、多くの人は、「アメリカ」や「中国」などの大国、それから、「台湾」、「韓国」や「北朝鮮」などの周辺諸国などの問題を、取り上げたりするのですが、それでも、よくわからないというのが、現状だと思います。


実は、「沖縄の米軍基地問題」を解く補助線は、意外な国にありました。


それは…

「インドネシア」

という国です。


2年くらい前に、映画「アクト・オブ・キリング」が公開されてから、インドネシアでの大事件を知った人も、多かったと思います。

この映画は、大変な問題作のために、大手の映画館で、上映禁止になったのですが、小劇場では、公開され、私も、友人と観に行きました。

現在では、「TSUTAYA」などでも、DVDが、レンタルできるみたいです。



その大事件とは、1965年に、インドネシアで行われた、100万人~300万人とも言われている、大虐殺の話です。

世界中のメディアに、情報規制が、かかっていたらしく、こんな大事件があったことを、知らなかった人も、多かったと思います。

私も、5年くらい前に、ある講演会で聴かされて知りました。




日本では、有名なデヴィ夫人が、あるインタビューで、

「皆さん、この映画を観て、アメリカに逆らった国が、どうなるかを、ぜひ知ってください!」

と言っていました。

デヴィ夫人は、当時、インドネシアに住んでいて、この大事件の当事者だったために、真相の全てを知っているそうです。


あまりにも、本質を突きすぎた発言だったために、アメリカ側の支配者たちだと思いますが、デヴィ夫人の発言を無力化しようしたようです。

当時、たくさんのワイドショーなどで、

「デヴィ夫人が、一般女性を、いきなり平手打ちした!」

という話を、しつこいくらいに、連日報道して、

「デヴィ夫人は、頭のおかしい女性である」

というイメージを、世間に植え付けることに、必死になっていたことを、覚えている方も、多いと思います。



インドネシアは、当時、アジアの中で唯一、米軍基地を、国内に、駐留させることを拒んだ国だったそうです。

他にも、理由はあるそうですが、大虐殺の一番の理由は、これだったみたいです。

天然資源が、豊富にあるために、アメリカの大手の石油産業の入国も断り、米軍基地の建設も、断固として、拒否したのです。

すると、どうなったか?

アメリカは、現地のマフィアなどを使って、少なくとも、100万人、多ければ、300万人のインドネシア人を、殺したのです。

100人や300人ではありませんよ。

100万人から300万人ですよ。

少なく見積もっても、沖縄県の人口と同じくらいの人たちが、虐殺されたのです。


今でもそうですが、日本人は、お人よしなのか、本物の極悪人の存在を知りません。

アメリカの黒幕には、とても恐ろしい悪魔がいることを、知らないのです。

広島と長崎に、平気で原爆を落とした人たちといえば、イメージできるかもしれません。

日本の政府のように、やさしくはないのです。



こういうことを考えると、日本で行われた、「日米安保闘争」も、また違った視点で、見えてきます。

おそらく、当時の日本の政治家たちは、このインドネシアの大虐殺のことを、知っていたと思います。

そして、

「米軍基地は、置きたくないけど、日本国民が、大虐殺されるよりは…」

こう思って、しかたなく結論を下した可能性もあるということです。

「日米安保条約を結び、沖縄などに米軍基地を置いたことによって、100万人~300万人の日本人の命を、救っていた可能性がある」

ということです。


遠回しの言い方ではなく、ストレートに言いますね。

「もしも、あの時に、沖縄に米軍基地を置くことを拒んだら、インドネシアのように、沖縄県民のすべてが、殺されていたかもしれない」

ということです。


歴史というのは、このように、半世紀くらい経ってから、真実がわかることも、多いのです。


何度も言うように、すべての社会問題、特に国際問題には、明確な答えなどありません。

ただ一度、こういう視点からも、考えてみてくださいと、提案しているのです。





さて、旅行記の続きです。



私の祖母は、前回書いた、空手の達人の宮城長順先生の娘でした。

長順先生自身が、当時の沖縄で一番の大富豪の息子だったので、祖母も、子供の頃は、何不自由ななく、育ったようです。

長順先生のお父様は、大きな帆船を何隻も持ち、中国と貿易していた、今でいう財閥の家系だったようです。

ちなみに、奥様は、「ノロ」という沖縄の巫女さんのような仕事をしていて、この方は、現在も、沖縄に生まれ変わって、また、「ノロ」の仕事をしているそうです。


祖母は、10人の兄弟姉妹の2番目に生まれ、長順先生からは、一番かわいがられたそうです。

この10人の子供のうち、祖母の二人の妹は、有名な「対馬丸」で、亡くなっているそうです。


祖母は、フルートを演奏する音楽家の男性、つまり、私の祖父と、見合い結婚しますが、私の母を産んですぐに、離婚したそうです。

今でこそ、珍しくありませんが、その頃に、金持ちの家同士の結婚で、子供を産んですぐに、離婚するなど、考えられなかったようです。

今考えると、とても自由な人生を、歩んだ人だったと思います。


私が、21歳の時に、68歳で亡くなったのですが、死ぬ間際に、

「やりたいことは、全部やったよ。いつ死んでも悔いはないよ。わが人生に悔いなしだよ」

と、「北斗の拳」のラオウのような発言もしていました。(笑)



子供の頃、祖母のアルバムに、背の高い白人女性と、一緒に写っている写真があったので、不思議に思って訊いてみたら、

「ああ、これは、当時のアイゼンハワー大統領の奥さんと、京都で会見した時の写真だよ」

と、懐かしそうに言ったので、ビックリしました。


なんでも、父親の長順先生が、沖縄の名士だったので、娘である祖母は、いろいろな社会活動も、やっていたそうなのです。

「国際婦人クラブ」という団体の幹部の地位にいたそうです。

この組織は、

「軍人や政治家は、男性同士だから、あまり仲良く会話はできないでしょう。でも、その伴侶である女性同士だったら、もっと仲良く、楽しく会話ができるんじゃないでしょうか?」

こういう趣旨で、沖縄の政治たちの奥様、それから、米軍基地内の将校クラスの奥様、この二つのグループの交流の場を、祖母は、つくっていたそうなのです。

その関係で、沖縄の米軍基地の問題について、日本の婦人代表として、アイゼンハワー大統領の奥様との会談が、京都で実現したのだそうです。


子供の私が、目を輝かせて、好奇心いっぱいで、こう質問しました。

「どんな話をしたの?」

すると、祖母は、不思議そうな顔をして、

「いや、それがね。難しい政治の話をするのかと思っていたら、最初から最後まで、ずーっと、UFOの話ばかりだったのよ…」

こう言ったのです。

大統領夫人は、

「これからは、UFO問題が、最大の問題になってくると思います」

と、強調していたそうです。

私の母方も、もしかしたら、UFOに縁があった家系かもしれませんね。(笑)





今回の旅では、祖母の墓参りにも、行ってきました。

「謝名親方」の墓のすぐそばです。



「元気にがんばってますよー!」

こう近況報告しました。




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私の母は、両親とも、沖縄出身なのですが、生まれたのは、東京みたいです。

それから、すぐに、音楽家の父が、韓国に、ビジネスをしにいったので、そこに、しばらく住んでいたようです。

戦争が始まりそうだったので、疎開も兼ねていたようです。


ただし、日本が負けたので、終戦間際には、命からがら、船で帰国したそうです。

それから、両親が離婚したので、親戚の家を、渡り歩いたようです。

他人の家で、飯を食わせてもらっている間に、人の表情などから、気持ちがわかるようになったそうです。

今でも、人の心の本質を見抜く達人です。


小学校や中学校は、東京と京都で、暮らしたそうです。

それから、沖縄に帰ってくるのですが、高校は、私と同じ高校でした。

だから、高校の大先輩でもあります。

大学は、東京の共立女子大で、国文学を専攻したそうです。



その後、沖縄のラジオ局に入社して、花の女子アナになるのですが、そこの職場で、大変なイジメを、体験したそうです。

生放送の本番の時に、先輩から、原稿を隠されたり、破られたりという嫌がらせを、連日受けていたそうです。

「アナウンサーの世界は、怖いよ~」

よく、そう話していました。



これは、後日談ですが、私が、高校に入学して、しばらくしてから、母をイジメていた女性と、高校のPTAで、バッタリ再会したのだそうです。

お互いに、気まずかったそうですが、その女性の息子が、私と同期にいたのだそうです。

同じクラスではなかったので、その子のことは、あまり知りませんが、「イジメ」というのは、学校を卒業して、何十年経っても、やったほうも、やられたほうも、どちらも、なんともいえない気持ちになるようです。


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「イジメ」というのは、遺伝しやすいという話を、何かの本で読んだことがあります。

つまり、

「親が、いじめられっ子だった場合、その子供も、いじめられっ子に、なりやすい」

という仮説です。

私も、中学1年生~2年生まで、イジメを体験しました。

特に、中2の夏頃が、酷かったです。

本気で、自殺したくなってました。


あとから、お金を恐喝されたことが、学校側に知られて、事件が公になり、最悪の結末は、避けられたのですが、私が、イジメに遭っていたことを知った母は、怒り狂って、イジメた側の家に、連日、抗議の電話をしていました。

それでも、心配だったのか、ある日、授業中に、ふっと視線を、教室から廊下に移した時に、教室の前の廊下に、母が、仁王立ちになって、腕組みして、教室を睨み付けているのが、見えました。

「私の息子に、手をだしたら承知しないわよ!」

と言いそうな怖い目で、教室中の生徒を、睨み付けていたのです。

私も、恥ずかしかったのですが、母は、もっと恥ずかしかったと思います。

でも、そんなことなど、忘れてしまうくらい、息子の私が心配で、無我夢中で、学校まで来たのだと思います。


今でも、あの時の母の姿が、脳裏に焼き付いています。

「母の愛って、凄いんだな…」

こう思います。


母は、自分がイジメられても、無抵抗だったと思いますが、最愛の息子のイジメには、敢然と立ち向かったのです。

女性も強いと思いますが、母親は、もっと強いと思います。

私は、まだ、独身ですが、いつか、自分の子供ができて、学校で、イジメを体験したら、もしかしたら、同じことをやるかもしれません。


人間って、自分ことでは動けないことでも、家族などのためだったら、動けるということも、多いのかもかもしれません。


「自分よりも大切な存在ができた時に、人は、最も強くなれる」

こう思います。

その代表的なものが、「母の愛」なのだと思います。




母は、26歳の時に、アナウンサー時代に、外科医である父と、お見合いして結婚したそうです。

あの時代では、晩婚と言われていたそうです。



小学校の頃に、母から、お見合いの時の話を、聞いたことがあります。

「本当は、その日は、風邪気味だったから、行くのやめようかとも思ったんだけど、行ったんだよね。もしあの時に、行っていなかったら、あなたは、この世に生まれてなかったねー」

これを聞いた時に、自然に、目から涙が溢れてきました。

なんというか、感動したのです。

それは、「出会い」や「縁」の奇跡を感じたからです。

「先祖代々、たったの一人でも、欠けていたら、自分という存在は、存在していなかった」

ということにです。

さらに、

「その先祖たちの誰かが、ちょとした気まぐれで、結婚してなくても、自分は、存在していない」

ということにも、あらためて驚愕したのです。

「だったら、この出会いや縁を、コントロールしていた存在も、いたのかもしれない。すべてが、偶然だけとは、どうしても思えない」

とも思いました。

この話から、「神」の存在を感じたのです。

小学生で、こう思う私も、やはり、変わった子供だったのかもしれませんね。



両親の新婚旅行は、宮崎県だったそうです。

それから、母は、寿退社をして、父の勤め先だった新潟市内で、しばらく暮らしていたそうです。

姉と妹は、新潟市内で生まれています。

当時の沖縄は、アメリカ領だったために、日本本土に行くには、パスポートがいりました。

よく、その当時のパスポートを、見せてもらいました。





それから、1966年(昭和41年)10月6日に、沖縄県那覇市の開南という街、祖母の家で、私が生まれます。

国際通りの近くです。


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その日の早朝、近所の産婦人科の先生が、

「今日は、絶対に生まれないから、大丈夫!」

と言って、散歩に行っている隙に、生まれたそうです。

産婆さんもいなくて、勝手に母のお腹から、自分で出てきたそうです。

「オギャー!!!」

と、とても元気な声で泣いたそうです。


祖母が、新聞紙で包んで、あやしながら、

「おお!! チンチンが付いている! 男の子だ!」

と大喜びしたそうです。

それから、

「この子は、この世界に生まれたがって、しょうがなかったんだね… もう待ちきれなったんだね…」

こう言って、私の誕生を、祝福したのだそうです。


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次回、「沖縄ルーツツアー」、フィナーレです。





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