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大和ヒストリーツアー 7 水銀

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「談山神社」にも、皆で行ってきました。

ここらあたりが、特に、「水銀」が、たくさん採掘された場所だそうです。

「日本の歴史の中心に、今いるんだな~!」

と思うと、とても感慨深かったです。

ここも、私が行きたいと言ったわけではなく、なんとなく皆で、行くことになったのです。

今回の旅も、大きな存在からの導きを感じました。



「談山神社」に着きました。


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それまでは、なんとも思わなかったのですが、「水銀」のことを学んだら、こういう神社の景色も、深く理解できるようになりました。

「ああー、水銀の産地だから、神社の建物の色が、朱いんだなー、朱砂の混じった赤土を塗ったんだなー」

こういうふうに、気づくことが、できるようになったのです。


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「進化」という表現を、たくさんの人が、大袈裟にとらえていますが、本来の「進化」という単語は、

「視点が、一つ増えること」

という意味なのです。

だから、こうやって、神社の「朱い色」の意味が、理解できるようになることを、「進化」というのです。


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さらに、科学的な事実がわかると、さらに面白くなります。

「水銀には、殺菌や防腐の作用があるから、虫が寄り付かないように、鳥居や神社に、朱く塗ったんだなー」

こんなことを、考えられるようになるのです。


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他にも、世界史の知識があれば、

「朱い色というのは、魔除けの効果があるみたいだな。それは、ユダヤ教から伝わったみたいだな」

「ユダヤ人が、エジプトの奴隷だった時に、神様が怒って、全ての家庭に、災いを起こす話があるけど、ユダヤ人の家だと分かるように、家の門に子羊の血を門に塗った家は、襲わなかったという話があったな… それとも、関係あるかもしれないな…」

と考えることもできるのです。



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朱い色で塗られた、「狛犬」です。

角がないから、「エンリル」ですね。


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こちらは、一本角があるから、「エンキ」ですね。


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境内には、「役小角」の木の彫刻が、祀られていました。

こういうのを見ても、「水銀」の歴史を学んだ今では、意味がわかるのです。

「ああ、やはり、山伏たちが、水銀を使って、金を採掘していたんだな… 役小角も、それを指導していたのかもしれないな… 役小角も、エンキのグループだったのかな?」

と、次から次へと疑問が湧いてきて、楽しいのです。

歴史の勉強を、本格的に開始してから、神社や寺の散歩が、最高の娯楽になったのです。


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勉強というのは、本来、とても楽しいものです。

そういう楽しいことをやっていると、ハッピーになります。

もしも、勉強をしながら、どんどん暗くなったり、不幸になっていくとしたら、その勉強は、どこかが、根本的に間違っているのかもしれません。




そこからは、少し離れていましたが、「聖林寺」というお寺にも行ってきました。


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「国宝」に指定されている、「十一面観音」です。

こういう仏像も、以前は、見てもなんとも思わなかったのですが、この仏像の金メッキが、水銀を使って作ったことがわかると、とても面白く眺めることができます。


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前回の「馬」と「牛」の神様の話を、補足しておきますね。


ああいう方程式は、絶対的なものではありません。

あくまでも、物事をわかりやすくするために、私が便宜上、一時的に、つくったものです。

例外も、たくさんありますし、あまり杓子定規に考えないでくださいね。


たとえば、漢字にしても、「午の刻」を、「うまのこく」と読むし、「丑の刻」なども、漢字は、「馬」に似ていながらも、「うしのこく」と読みます。


日本の歴史において、「馬」と「牛」の神様は、ある時期から、融合した痕跡があるのです。

もしかしたら、この和解は、「エンリル」と「エンキ」の孫娘、「イナンナ」が、やったのかもしれませんね。



日本は、なんでも融合させ、和解させる文化です。

たとえば、「馬」と「牛」、それから、「鬼」や「人間」も、融合させた痕跡があります。

「興禅寺」にある、「牛頭天王像」です。


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この像では、「馬+牛+鬼+人」の四つが、見事に融合されています。

「神仏習合」の意味も、シンボルマークとして、込められているようですね。

仏像の意味は、

「馬も牛も、それから、鬼も人間も、元を辿れば、皆、同じ存在なんですよ」

ということだと思います。




今回の旅行は、「大和」の土地で、主に、奈良県をまわったのですが、古代の大和の中心地だったんじゃないかと思われる桜井市に、宿をとりました。

「サンチエリー」というペンションに、泊まりました。

この宿も、私が決めたわけではなく、友人のJさんが、手配した宿でした。

「ペンション」というから、山の中の丸太小屋をイメージしていたのですが、着いたのは、駅からすぐ近くの街中の可愛いホテルでした。


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受付で、チェックインしていたら、目の前に、本が、1冊置いてありました。

そこで、目が釘付けになったのです!

この本です!


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フロントの受付の女性に、

「なっ、なんですかー! この本はー!?」

と興奮して訊いてみたら、

「ああ、これですか… この本は、このホテルのオーナーの田中が書いた本です」

と、さらりと言われたのです。

「うわー! 私は、実は、ずーっと水銀の歴史を、調べているんですよー! まるで、奇跡のようなですねー。こういう本を、追い求めていたんですよー!」

ワクワクが、MAXまで達して、顔が赤くなっていくが、自分でもわかりました。

その場で、すぐに、この本を購入しました。

「よかったら、食事の後、オーナーのお話しを聴いてみませんか? いつも、無料で、宿泊客の方に、やっているんですよ」

こう言われて、もう天にも昇る様な気分になりました。(笑)



ディナーも、洋食のコースでしたが、最高に美味しかったです。



食事の後、休憩室のような部屋に行きました。

その部屋に入る前に、壁にかかっている絵を見て、

「えーっ!!」

と、また叫んでしまいました。



この絵です。


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このオジサン、どこかで見たことないですか?

そうです。

映画、「ベストキッド」に出てきた、沖縄出身の空手家、「ミスター・ミヤギ」です。


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ご存知のように、私の曽祖父である、空手の達人、宮城長順先生をモデルにした人物です。


この絵の画家が、どういう気持ちで描いたのか、わかりませんが、とても似ていますね。

もしかしたら、別人かもしれませんが、私には、曽祖父である長順先生が、

「いつも見守っているよ。がんばって!」

と励ましてくれているように感じで、ジーンとして、涙が出てきました。

先祖のサポートって、ありがたいですね。

私が、「水銀の歴史」で、行き詰っているのを見て、助けてくれたのかもしれません。


今回の旅は、もしかしたら、長順先生の導きだったのかもしれませんね。




午後8時になると、ペンションのオーナーの田中さんが、その部屋に現れました。


柔和な表情の中にも、時折、キラリと光る眼光が、只者ではないことを感じさせました。

私が、受付で買った本をことを話すと、嬉しそうに、ニコニコ笑いながら、

「そうでっか? 私は、水銀のプロです。水銀のことなら、なんでもきいてくださいね!」

開口一番、その挨拶から始まりました。

「自分は、その道のプロだ!」

このセリフが、自然に口から出てくる人が、現在、どれだけいるでしょうか?

田中さんは、間違いなく、裏の日本史を、とことん追求してきた本物の学者だと、すぐに確信しました。



実は、前回の「水銀」の話も、大半が、田中さんから聞いた話です。

田中さんは、精神世界や宇宙人には、あまり関心はないようでしたが、「大和の歴史」については、裏の裏まで、全て知りつくしているという気がしました。

それくらい、凄まじい知識の量でした。

「自分の歴史の知識など、まだまだ、未熟だったんだなー」

と何度も気づかされました。




田中さんからは、前回書いたように、

「金の採掘には、水銀が使われていた」

という話から始まって、いろいろな歴史のドラマを聴きました。



多すぎて、全部は書けませんが、ほんの一部だけ、追加で書きますね。



水銀を使って、金を採るまではいいのですが、その後が、問題なのだそうです。

ご存知のように、「水銀」は猛毒です。

「金」を採取する時には、水銀と泥を混ぜた混合物を、川に流して、砂金を採った後、周囲に火を焚いたそうです。

泥は、自然に落ちていき、水銀は蒸発して、目の前には、金塊だけが残ります。

そこまではいいのですが、その時、どうしても、気化した水銀を、その作業をする職人さんは、鼻や口から、吸いこんでしまったのだそうです。

だから、水銀を扱う職人さんは、皆、早死にしたそうです。

しかし、それを分かった上で、覚悟を決めて、その仕事をしていたそうです。



こういうかんじだったのかな?


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「そもそも、どうして、人間は、金を欲したのか?」

という素朴な疑問にも、答えてくれました。

「陰陽五行」という考え方がありますね。

「曜日」にも、使われているから、日常茶飯事すぎて、あまり意識していませんが、五行の思想は、

「火」、「水」、「木」、「金」、「土」

という五つの要素で、自然界が、成り立っているという考え方です。


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さて、問題です。

この中で、地球上で、他の動物と違い、「人間」だけが使うのは、何だと思いますか?



答えは…



「火」と「金」だと思います。



「水」は、魚をはじめ、どの動物も、よく使いますね。

「土」だって、モグラなども、使います。

「木」も、ビーバーは、ダムを作るし、キツツキは、穴をあけます。

しかし、「火」を使うのは、人間だけなのです。

チンパンジーやゴリラも、使いません。

「金」も、人間だけが、使っていますね。



さらに、問題です。



では、人間の社会において、身分や階層をつくったのは、「火」と「金」のうち、どれでしょうか?



答えは、「金」です。



「火」は、庶民も奴隷も、使います。

しかし、「金」だけは、庶民や奴隷は、持てなかったのです。

理由は、採り方がわからなかったからです。

そうです。

「五行」の要素の中で、「金」は、特別な存在なのです。

太古の昔においては、地球上で、「金」の使い方を知っている人間だけが、「権力」を握ることができたし、また、宇宙人たち(神々)とも、交流が許されたのです。


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考えようによっては、支配者たちが、「金」を独占したのは、必要以上に権威を見せ、人々を脅していたのではないのかもしれません。

むしろ逆に、争いを避けるために、「金」を見せびらかしていた可能性もあります。


理由です。

「鉄」や「銅」などは、庶民でも作れたと思います。

しかし、「金」に関しては、「水銀」の取り扱いも含め、細心の注意、それから、化学の知識、さらに、命懸けで仕事をする気概など、庶民にはないものが、要求されたようです。

それによって、庶民たちに、

「天皇や貴族、僧侶、神主という権力者や聖職者は、特別な能力を持っているですよ。だから、戦っても、勝ち目はありませんよ」

遠回しに、こう伝える手段が、「金」だっだのかもしれません。


つまり、「金メッキ」で覆われた、仏像などを、お寺などで、見せることのよって、権力者と庶民の不要な争いを、避けていたのかもしれないのです。

「金」は、「戦争回避」、つまり、「平和」のために、使われていたのかもしれません。


とういうことは、水銀中毒で、早死にした職人さんたちは、そういう意味をわかっていて、仕事をしていたということです。




田中さんは、ここまで話して、少し悲しそうな顔をして、

「どうして、水銀使い、つまり、錬金術師たちを祀っている神社が、日本には、一つもないんやろう?」

と呟きました。


言われてみれば、たしかにそうですね。

これだけ、大変な仕事を、命懸けでやった人たちが、全く供養されていないのだそうです。

それだけ、「水銀使い」であり、「錬金術師」であった人々の存在を、太古の昔から、権力者たちが、いろいろな理由から、必死になって隠してきたということですね。

「どうしても、金の採り方を、庶民には、知られたくなかった」

ということです。


しばらく、沈黙があった後に、田中さんが、話を続けました。

「しかしね、実は、水銀使いの死を、弔うような文化は、現在でも、日本に残っているんですよ」

私が、

「へーっ、それは、何ですか? どういう形で、残っているのですか?」

こう訊くと、田中さんは、イタズラ小僧のような目で、

「知りたいでっか? それでは、教えてさしあげましょう。それは、歌舞伎です!」

と言ったのです。

「ええ!? 歌舞伎ですってー?」

私が驚くと、田中さんは、こう説明してくれました。


水銀中毒で死ぬ時には、体中の筋肉が痙攣して、特に、死ぬ間際には、左右の眼玉が、互い違いに動いたリするそうです。

その動作が、「歌舞伎」の大袈裟なアクションの中に、入っっているとのことです。

「へーーーーっ!」

と、声が出てしまいました。

いつも、歌舞伎の動作の意味を知らずに、テレビなどで、見ていたのですが、あの動きに、そういう意味があったとは、生まれて初めて知りました。


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たしかに、俳優の衣装も舞台も、「金」や「朱」の色が使われていて、豪華で派手ですねー!

もしかしたら、「歌舞伎」という文化の隠された意味は、「平和」かもしれませんね。

面白いですねー




田中さんの口からは、面白い話が、次から次へと出てきました。



他に、私が印象に残った話は、やはり、「仏像」の話でした。


金沢などでは、「金箔」がつくられますね。

これを使って仏像を作ると、貼り合わせた金と金の間に、ツギハギが、見えるのだそうです。

だから、こういう仏像は、「重要文化財」の評価しかされないのだそうです。

それに比べて、仏像に、水銀と泥と砂金を混ぜわせた物質を、上から塗りたくり、周囲で火を焚いて、職人さんが、命懸けて作った金メッキの仏像は、「国宝」の評価を受けているのだそうです。


太古に存在していた、日本の「錬金術師」たちの努力は、まったく報われていないわけではなかったのです。




奈良の大仏も、もともとは、金メッキで造られたそうです。

当初、金メッキで、光り輝いていたそうです。


この金メッキを施すのに、実は、大量の水銀が使われていたそうです。

前述したように、水銀と泥と砂金を合わせて、粘土状にしたものを大仏に塗り、炭火で熱して水銀を蒸発させることで金だけが残したやり方を、ここでも使ったのだそうです。

すると、案の定、蒸発して大気に放出された水銀は、平城京にも、降り注ぎ、呼吸することで、吸い込んでしまった人たちが、たくさん現れたそうです。

様々な不調を訴える人が急増して、

「何かの祟りだ~!」

とパニックになったそうです。

特に、昔の映画に、「エレファントマン」という暗い作品がありましたが、ああいうふうに、皮膚が、白くなって、象の皮膚のようになった病人もでてきて、人々は、とても怖がったそうです。

「平城京」が、「平安京」に遷都された一番の理由は、奈良の大仏の建造にあたって使われた、「水銀」が原因だったみたいです。

町全体が、水銀で汚染されたのだそうです。


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他には、「伊勢白粉(いせおしろい)」の話も、面白かったです。


江戸時代、庶民が、一生に一度は参拝したいと願った、「伊勢神宮」の話です。

当時の日本の人口は、3000万人だったといわれていますが、お伊勢参りブームの最盛期には、年間500万人、6人に1人が、伊勢に参拝したという記録が残っているそうです。


そんな中、田中さんの調べた中に、面白い資料があったそうです。

それは、江戸からの伊勢参りの人たちの何割かは、伊勢神宮まで行かずに、手前の「松坂」という町で、引き返していたそうです。

それは、参拝が目的ではなく、「伊勢白粉」を買うことだったからだそうです。

当時、松坂では、これを販売していて、江戸から、わざわざ買いにくる客が、多かったそうです。

なぜかといいうと、これが、江戸の町で効果で、売れたからだそうです。


その需要は、江戸城の中に、「大奥」があって、そこの女性たちが、高額で買ったそうです。

こういうことです。

殿様との間に、たくさん子供ができても、世継ぎは、一人だけです。

多くの子供たちは、望まれない子供になるのです。

そのための「中絶」に、これが、使われたのだそうです。


そうです。

「伊勢白粉」の中には、猛毒の「水銀」が入っていたのです。

この「水銀」で、堕胎をしていたのだそうです。

そのための専門医も、ちゃんといたそうです。

ただし、これは、秘史とされ、歴史の表には、けっして出てこない話だそうです。



「伊勢白粉」を作っていた道具の写真が、現在も、残っているそうです。


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「水銀」は、こうのように、猛毒でもあったのですが、ご存知のように、「猛毒」というのは、反面、「万能薬」にもなります。


江戸時代に、「梅毒」や「ケジラミ」などの性病が、日本中で蔓延したことがあったそうです。

その時に、「水銀」が、使われたそうです。

「水銀」には、強力な殺菌作用があって、適量を適切に使えば、最高の薬だったのです。

女性は、陰部と頭部の毛を、水銀を微量につけた櫛で梳いて、ケジラミを殺したのだそうです。

そして、ある時期から、結婚式の時に、

「私の身体には、ケジラミは、一匹もいませんよ。いつも、水銀を使った櫛で、お手入れしています。だから、初夜では、安心して抱いてください」

という意味で、髪に櫛を刺したそうです。



それが、現在でも、和装の花嫁衣裳を着るときに、頭に刺す「前櫛」だそうです。


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このように、「水銀」というのは、毒にも薬にもなり、日本の歴史に、大きく関わってきたようです。

「水銀」があったから、日本人は、消毒を気軽に行うことができて、清潔な身体を保てた。

だから、ヨーロッパのように、伝染病で、国民が、大量死するというような事態も、避けれたのだそうです。

現在は、あまり見かけなくなりましたが、私が子供の頃は、どの家庭にも、「赤チン」がありました。

あれも、水銀を使った消毒液だったそうですね。

だから、色が朱かったのかな?


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他にも、「中国」などの外国が、日本に興味を持ったのも、「金」だけじゃなく、「水銀」がたくさんあるということが、わかったからみたいです。

有名な「魏志倭人伝」にも、

「日本という国は、水銀が多く埋蔵されているそうだから、ぜひ、国交を結んで、交易したい」

というような内容が書いてあるそうです。

「水銀」から、本格的な外国との貿易が、始まっていたみたいです。


そういえば、「秦の始皇帝」も、不老不死の実現を望んで、日本に「徐福」などの使者を、送っていますね。



遺体の防腐に成功した事例として、中国湖北省の荊州博物館のミイラが有名です。


これは、1975年に発掘されたミイラなの話なのですが、発見された時、その遺体は、薄紅色の液体に浮かんでいたそうです。

そばの竹簡によれば、紀元前167年の遺体だったそうです。

そのミイラは、内臓も鼓膜も、ほぼ完全に保たれていて、胃には、胃潰瘍の後まで残っていて、死因まで確認できたそうです。

2200年間、内臓と鼓膜まで保存した技術が、すでにあったのです。

凄いですねー!

そして、その容器の中にあった液体を調べると、正体は、「硫化第二水銀」だったそうです。

「水銀」って、凄い物質みたいですねー!




もっともっと書きたかったのですが、田中さんの話は、このへんにしておきましょう。



私の大好きな名言に、

「自分がある段階まで達した時に、自分に必要な師は、おのずと目の前に現れる」

というのがあります。


中国などの武道界で、大昔から、語り継がれているそうですが、今回の田中さんとの出会いで、特に、それを感じました。

田中さんの話は、凄すぎるのです。

ある程度、予備知識がないと、その価値が、さっぱりわからないかもしれません。



私と田中さんが、熱く語り合っている時に、別の宿泊客たちが、まったく興味なさそうに、通り過ぎていったのが、印象に残っています。

世界最高の歴史の講義が、無料で聴けるのに、価値がわからない人たちには、何の価値も感じないようでした。




話が終わってから、田中さんと二入で、記念撮影しました。

田中さん、お疲れ様でした。

最高の講義を、ありがとうございましたー!!


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次回、「大和ヒストリーツアー」、フィナーレです。





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