「ファシズム」という言葉を知らない人は、いないと思います。
でも、これの本当の意味を知っている人は、少ないと思います。
世の中には、人を支配したがる人が、たまにいます。
そして、その人に、支配される人々がいます。
理由は、たくさんありますが、支配したがる人は、人嫌いの人が多いということです。
いろいろな意味で、強がっていることが多いのですが、心の奥底では、「対人恐怖症」だということです。
つまり、人から支配されるのを、極端に恐れていて、その反動で、
「誰かから支配される前に、自分が支配してやろう」
と無意識レベルで思って、行動することが多いようです。
こういう人が、不安などを煽って、人々を支配するテクニックを覚えた時に、支配者となり、支配構造が始まるようです。
これは、宗教団体や企業、そして、国家などでも、よくあることです。
ネガティブな感情をもった人物が、職場の中で権力を持ち、人を支配しはじめる。
こういう人物が、自分の会社のトップだったり、上司だったりすると、地獄の毎日になります。
大学の頃、「社会学」という講座で、講師が、面白い話を聴かせてくれました。
「皆さん、ファシズムという言葉を、知っていますよね? これは、日本語では、全体主義などと訳されたりしますが、もともとは、イタリア語で、団結という意味です。さらに、ファッションという単語とも、語源は同じみたいです」
続けて、
「つまり、皆が、同じ考え方になり、同じ行動をとるようになる現象のことです。全体主義イコール、独裁主義では、ありません。同じような意味に、解釈している人も、多いですが、独裁者が、しばしば全体主義を、利用することが、多かったということなんですよ」
こう話してくれました。
そうなのです。
ミニスカートが、ある時期に流行ったり、日本中の女子学生が、突然、ルーズソックスをはいたり、豹柄の服が、大流行したりするかんじで、皆が、ある時期から、同じような言動や行動を、始める現象のことを、「ファシズム」というのだそうです。
「ファシズム」そのものは、良いものでも、悪いものでもなく、「中立」の現象だということです。
ここが、大切なので、よく覚えていてください、
ヒトラーのナチスも、皆が、同じ行動をした、「ファシズム」でした。
同様に、バブルの頃、皆が、同じように、お立ち台の上で、踊ったのも、「ファシズム」だったのです。
簡単に言うと、
「世の中の人々が、同じ価値観を持ち、同じ行動をすると、支配者が、全体を動かしやすくなる」
ということです。
「ファシズム」の中には、
「自然発生的に、生じたもの」
「仕掛け人が、人工的につくりあげたもの」
の二つがあるということです。
現代では、ほとんどが、後者だと思います。
さらに、「人工的なファシズム」の中にも、
「善意のファシズム」
「悪意のファシズム」
が、存在しているということです。
たとえば、高級車を製造しようと思ったら、その企業が、バラバラだと製造できません。
こういう場合は、車の品質を向上させるために、その企業の社員の意識や技術などを、統一する必要があるのです。
これは、善意のファシズムです。
反対に、死の商人などが、戦争を起こしたい場合、マスコミなどを使って、二国間に、憎悪をつくり、軍隊などを使って、殺し合わせたりもします。
これは、悪意のファシズムです。
あと、オマケで付け加えておきますが、
「ファシズム=戦争」
というわけでもありません。
たとえば、江戸時代などは、全国の大名に、参勤交代などを強制したりして、かなりのファシズム状態だったのですが、この間に、大きな戦争は、ほとんど起こっていません。
だから、支配者が、どういう意図で、何のために、権力を握ているのかによっても、話は、まったく違ってきます。
「ファシズム」にも、状況などによって、実は、いろいろな種類があるということです。
大切なことは、自分の思想や行動が、世の中全体に、流されていると感じた時には、
「今の世の中には、どういう種類のファシズムの流れが、生じているのだろうか?」
と意識して考えてみると、いいと思います。
以前、NHKのドラマで、「龍馬伝」が、放送されていましたが、私が、一番心に残った、名シーンが、ありました。
幕末の時期に、欧米から、日本が狙われている最中に、日本中の大名たちが、バラバラなのを、危惧して、坂本龍馬が、勝海舟に意見を述べます。
「勝先生、欧米から、日本が狙われているこの一大事に、日本は、こんなにバラバラです。このままで、いいのでしょうか?」
すると、勝海舟は落ちついた声で、
「龍馬、バラバラだから、いいのかもしれないぞ。これが、ピラミッドのような支配構造で、皆が、一人の親分の意見に、絶対服従のように、統一された状態だったら、その親分を、抑えられたら、お終いだ。日本が、こういうバラバラの状態だから、欧米諸国は、誰を抑えていいか、わからずに、戦略を立てにくくなっているんだ」
こう諭すのです。
番組を観ながら、思わず、
「う~ん」
と唸ってしまいました。
もともと、江戸時代の「士農工商」というのは、
「侍には、権力は、持たせるけど、お金は、持たせない」
「農民には、食いものは、持たせるけど、他は、持たせない」
「職人には、技術は、持たせるけど、他は、持たせない」
「商人には、お金は、持たせるけど、権力は、持たせない」
こうやって、権力構造を、バラバラにすることによって、外国からの侵略や接近を、防ぐという隠れた意図が、隠されていたという話を、何かの本で読んだことがあります。
このように、国家や企業などの組織の権力構造を、バラバラにすると、ファシズム化、しにくくなるのです。
特に、一つの階層に、権力とお金の両方を持たせると、国家が、腐敗しやすいということを、江戸幕府を、つくった人たちは、わかっていたようです。
理想的な国家や組織とは、普段はバラバラで、個人個人が、勝手気ままに行動しているが、状況によって、一致団結する必要があることがわかったら、皆で、力を合わせて行動する。
でも、それが、「自然発生的に、生じたもの」と「仕掛け人が、人工的につくりあげたもの」なのかを、判断するだけの感性を、皆が持っていること。
さらに、「善意のファシズム」と「悪意のファシズム」を見抜ける知力も、皆が兼ね備えていること。
構成員が、この二つを持っている国家や組織は、これからの時代でも、長く継続していけるだろうと、思います。
さらに、もっと、大事なのは、一人の支配者の意見が、恐怖や威圧などによって、通ったりしないことです。
つまり、皆が、自由に意見を述べ合い、納得いくまで、話あえる時間と場所が、常に整っているということです。
「民主主義」
これは、私たち人間が、長い歴史の中で、たくさんの人々の犠牲の上に、築き上げ発明した、偉大な財産なのです。
皆が、お互いを尊重しながら、自由に意見を言い合い、そのうえで、いろいろなことを、決めていく。
さらに、人間だから、間違うことも多いと、謙虚に認め、
「何か、間違っているじゃないかな? 軌道修正が必要かな?」
と感じたら、この時も、皆で、そのつど、話し合い修正していく。
その時にも、間違ったり、失敗した人を、必要以上に責めない。
こういう「当たり前の社会」について、地球全体が、もう一度考えてみる時期に、きていると思います。
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