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十和田湖ツアー 9 木洩れ日

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最後に立ち寄った、梵珠山では、名前は忘れましたが、何かの実が生ってるのを見つけて、皆で、口に含みました。

果物や木の実など、いつもは、お店で買ってきて食べるので、こういう野生のものを、しかも、洗わずに、口に入れるのは、新鮮でした。

昔は、こうやって、食べていたんですよね。

たまに、こういう自然の中で、散歩しながら、自然のものを、口にいれると、太古からの生命力みたいなものが、復活するような気がします。

自然の気が、身体に入ってきて、元の気に戻るのです。

つまり、元気になるのです。



皆で、その実を食べながら、おしゃべりしている場面です。


150907_143849.jpg



梵珠山の川です。


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子供の頃の水遊びを思い出しますね。


150907_140329.jpg




「十和田湖ツアー」では、たくさんの素晴らしい景色を眺めましたが、一番印象に残っているのは、湖の周辺のたくさん緑です。

その中でも、木々の葉の隙間から光る、「木洩れ日」が、とても心地よかったです。







以前にも書いたのですが、もう一度書きます。



この社会には、「子供の会話」と「大人の会話」の二つが、存在しているようです。


「子供の会話」というのは、「白黒をハッキリつけたがる会話」です。


「白か? 黒か?」

を決めるのが、目的です。


「正しいか? 間違っているか?」

「良いか? 悪いか?」

などと物事を、正誤や善悪で、単純に判断する人同士の会話です。

必然的に、喧嘩が多くなります。


喧嘩の多い友人関係、恋人、夫婦は、だいたいの場合、お互いに、この会話のパターンを、繰り返していることが、多いです。

個人でも、怒りっぽい人は、単純な傾向があります。


いろいろな物事を、単純化して、白黒つけたがる視点や発想が、自分を傷つけたり、他人と、喧嘩したりする原因になっているのです。


だから、普段から喧嘩の多い人は、

「自分は、物事を単純化して、考えているのではないだろうか?」

と考えてみてください。




一方で、「大人の会話」というのは、「物事のディテールを、楽しむ会話」です。

「どうして、そうなんだろう?」

という原因を、分析したり追求するのが、目的です。


「いろいろな状況で、比べてみよう!」

「人によって、どういう視点の違いがあるか、調べてみよう!」

などと物事を、冷静に整理します。

だから、あまり喧嘩になることはありません。


友人関係や組織、グループなどで、皆が、こういう姿勢だったら、その集団は、仲がいい場合が多いです。

穏やかな人というのは、思慮深いのです。


私は、こういう大人の会話ができる人が、好きです。

いろいろな視点、様々な立場や状況から、物事を見られるのは、魂が、成熟しているということです。




「子供の会話」の例をあげると、


「テレビ番組は、くだらない!」

「インターネットは、有害な情報ばかり!」

「肉食はダメ!」

「原発は悪い!」

「お金は汚い!」

「北朝鮮は悪い国!」

「マスコミは嘘ばかり!」

「政治家は悪人ばかり!」


こういう単純な発想です。


これでは、あちらこちらに、喧嘩を、ふっかけて歩いているようなものです。

いろいろな情報を集めて、反対意見も聞きながら、冷静に分析すると、いろいろなことが、わかってきます。

全ての出来事は、一枚岩じゃないし、細かくディーテールを調べると、様々なことが、複雑に絡んでいることも、わかってきます。


いろいろな立場や状況、その背後に隠れている構造や思惑、そういうことが、わかってくると、

「複雑で、難しいんだな… そんな理由があったのか… これは、簡単に結論は、出せないな…」

などと、考えこんでしまうことも、しばしばあります。




この世界は、やはり、人知を超えたような力が、働いていて、なんだかんだいって、無駄や悪に見えていたことが、実は、バランスをとるのに、必要だったり、大難を小難にするための策だったり、いろいろな思惑が、あったりすることも、わかってくるのです。


たしかに、悪い奴らが、いろいろな謀略や陰謀を、陰で企てて、悪さもやっているので、それを知ると、

「こんなに、悪い連中が、こんな悪さをしてるんだー!」

と怒りが、わいてきます。

でも、それから、さらに、一歩踏み込んで調べると、たくさんの心の優しい、素晴らしい人たちが、それを防ぐために、いろいろと裏で動いていることも、わかってきて、

「たくさんの素晴らしい人たちが、こんなに献身的に、活動してたんだー!」

と感動して、感謝の気持ちが、わいてくることもあります。




そもそも、昔から、日本人というのは、成熟した大人の社会を、築いてきた民族なのです。


山や川などの自然に、囲まれた環境で、育ってきたことが、大きいようです。


現在、世界を動かしている欧米諸国の発想の根幹には、「ユダヤ教」や「キリスト教」、そして、「イスラム教」がありますが、これらは、「砂漠の土地」で、生まれた思想です。

「砂漠」というのは、そこに住む人たちの価値観を、「二元論」にしやすい環境だそうです。

「光」と「闇」のコントラストが、強いからです。


「昼か? 夜か?」

「暑いか? 寒いか?」

「光か? 闇か?」


砂漠や洞窟で、生活していると、こういう発想に、なりやすいそうです。


必然的に、物事を、

「YESか? NOか?」

というような、

「白か? 黒か?」

で、ハッキリ決めるような姿勢に、なってくるようです。


宗教観も、空を見上げる機会が多いので、神が、上から見ているような気がするのだそうです。

こういう環境から、

「神が、人間を罰する」

という発想も、でてくるようです。




日本のように、大昔から、人々の住む場所に、樹木が茂り、木々で、空が覆われている環境で暮らすと、必然的に、目線が、花や草木、石、川などに、向かうために、神々が、自然の中に、宿っているという宗教観や世界観に、なるようです。

「八百万の神」という表現も、こういう環境から、出てくる発想みたいです。


「草花や石などの全ての自然物に、精霊が宿っている」

という感覚ですね。


さらに、普段の生活空間が、木々で覆われているので、太陽光が、ハッキリと分かれないという環境で、生活することになります。

特に、朝日や夕日が、照っている時は、

「昼なのか、夜なのか、よくわからない」

という状況になるのです。

「木洩れ日」ですね。


木々の枝葉の間から、洩れてくる日光が、日本人の発想や価値観の根本じゃないかと、私は、考えています。

「光なのか影なのか、よくわからない」

という曖昧さが、日本人の価値観の象徴なのです。


これは、魂の成熟さも、表していますが、やさしさや穏やかさでもあるのです。

人間は、山や川などの豊かな自然の中で暮らすと、このように、世界観や宗教観が、やさしくなる傾向があるようです。


だから、「キリスト教」も「仏教」も、「イスラム教」も「道教」も、それから、「神道」も、たくさんの宗教が、仲良く共存、共栄することも、可能なのです。

「クリスマスを祝って、正月は神社に行き、葬式はお寺でやる」

という、一見無節操な文化は、器の大きい成熟した、大人の社会なのです。

自然豊かで、緑の多い「十和田湖」の周辺を、ドライブしていると、特に、それを感じました。




これは、余談ですが、ある本に書いてあった話です。


ある時に、国連で、日本の代表が、中近東諸国に、

「いいかげんに、争うのは、もうやめにしたら、どうですか? やられたら、やりかえすというような復讐を、いつまで続けるんですか?」

こう提案したそうです。

それから、さらに、

「そろそろ、それまでの歴史上の出来事を時効にして、不問にするというようなルールを、つくってはどうですか? いろいろあったでしょうけど、このへんで、全部水に流してはどうですか?」

と言ったら、中近東の人たちが、困ったような顔をしたそうです。


通訳を通じて、いろいろと話したら、面白いことが、わかったそうです。

なんと、中近東の人たちには、

「水に流す」

というニュアンスが、伝わらなかったのだそうです。


そもそも、あまり水もなく、しかも、水が流れていない砂漠の場所が、多いために、この表現が、イメージできなかったそうです。


それで、その日本の代表が、

「それでは、神のいる空に上げるというのは、どうですか?」

と提案したら、ようやく、

「うん、それなら、なんとなくわかります」

という話になったのだそうです。


日本人のほとんどが、すぐにイメージできる、「水に流す」というのが、イメージできない人も、世界には、たくさんいるということですね。




「木洩れ日」

という単語は、私のとても好きな単語です。

「清濁併せもつ」

というような表現よりも、

「光と影を、美しく統合する」

というニュアンスが、イメージできます。

言葉よりも、こういう視覚的なイメージのほうが、情報量も多いと思います。


外国人から、

「日本人は、YESとNOを、ハッキリ言わない、曖昧な民族だ!」

と批判されたら、

「いやいや、それは、誤解です。日本人の世界観は、木洩れ日のようなものです」

と説明してあげるのも、いい文化交流だと思います。


「日本の心」として、「木洩れ日」というイメージを、世界に広げていくのも、面白いかもしれません。

それによって、ギスギスした対立の世界が、少しはやわらかくなり、世界は、緩和するかもしれません。


「木洩れ日」から洩れてくる、日光を見ていると、心が、やさしくなってききます。

「日本の心」の原点は、「木洩れ日」かもしれません。


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「十和田湖ツアー」、今回で完結です。

長い旅行記を、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。



今年の夏は、いろいろな所をまわりましたが、全部楽しかったです。

この十和田湖が、夏の旅行の最後になりますね。


これから、秋が深まってきて、冬を迎えます。

日本は、本当に四季の変化が面白く、そして、素晴らしいですね。

来月くらいからの紅葉も、今から楽しみです。


たぶん、今年中に、もう一度くらい、ツアーを開催すると思いますが、行き先は、まだ未定です。

こういう旅を、私と一緒にまわってみたい方、ぜひ、参加してくださいね。






「少年時代」


作詞 井上陽水
作曲 井上陽水・平井夏美




夏が過ぎ風あざみ 誰のあこがれにさまよう

青空に残された 私の心は夏模様


夢が覚め夜の中 永い冬が窓を閉じて

呼びかけたままで 夢はつまり想い出のあとさき


夏祭り宵かがり 胸のたかなりにあわせて

八月は夢花火 私の心は夏模様


目が覚めて夢のあと 長い影が夜にのびて

星屑の空へ夢はつまり 想い出のあとさき


夏が過ぎ風あざみ 誰のたそがれにさまよう

八月は夢花火 私の心は夏模様







PS 「木洩れ日」から洩れてくる、日光を見ていると、心が、やさしくなってきます。

「日本の心」の原点は、「木洩れ日」かもしれません。








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